◆10年以上もその日だけ勝ち続ける凄さ

 単なる偶然、と思うかも知れない。恐らくはそうなのであろう。しかし、10年以上もその日だけ勝ち続けるというのは凄いことである。2007年から2020年までの14年間で、7月26日の勝利数は11勝(2009、2010年はこの日の試合なし。2016年は雨天中止)。勝ち・負け・引き分けの選択肢がある中で11回も勝ち続けるということは、単純に計算すれば17万7147分の一の確率ということになる。ミニロト一等が当たる確率と同じくらいだ。

 しかも、2007年から現在までのカープの7月成績は、決して良いとは言えない。月間勝ち越しをしたのは2011~12年と、リーグ三連覇を成し遂げた2016~18年くらいで、あとは大きく負け越している年も多い。そのような中ずっと勝ち続けるとは、やはり7月26日は凄い日なのである。

 そんなわけで、今年の7月26日もきっと勝つに違いない!と期待していたところ、なんと今年は当日に試合がないではないか。がっかりしたが、他にも勝率の高い特異日はないか……と探してみると、実は7月23日も2007年以降負けなしであることが判明した。

 7月23日はこれまでオールスター期間にあたることが多かったため、もともと試合がない年が多いのだが、それでも14年間で6勝0敗というのは素晴らしい数字である。これを第二特異日としてこちらの勝利を期待……と思ったら、今年は23日も試合がない。

 残念ながら今年はこれら「7月の勝ちの特異日」の経過を見届けることはできないが、オールスターや侍ジャパンに出場するカープの選手たちの活躍を祈りたいと思う。

イラストレーター・オギリマサホの印象に残っている、「カープの特異日」思い出シーンイラスト。

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オギリマサホ
1976年東京都出身。イラストレーターとして雑誌や書籍等の挿絵を手掛けるかたわら、2018年より文春オンライン「文春野球コラム」でカープ担当となり独自の視点のイラストコラムを発表。著書に『斜め下からカープ論』(文春文庫)がある。