カープの先発陣では最年長となる野村祐輔。投手陣を牽引すべき存在が正念場を迎えている。ケガに泣いた昨季の雪辱に燃えて挑んだ今シーズンだったが、いまだ勝利を飾ることができていない。チームの上位進出は、連続先発登板の日本新記録を樹立した背番号19の踏ん張りにかかっている。

復調に期待がかかる野村祐輔投手

◆オープン戦最後の登板で結果を残し開幕ローテに

 大きな期待をかけられていたのは間違いない。しかし、開幕からここまで、野村祐輔にいまだ勝ち星がない。この寂しい事実の響きこそが、チームが波に乗れない原因の一つではないだろうか。

 今年はプロ10年目。過去に最多勝利、最高勝率のタイトルを獲得し、先発として通算77勝を挙げるなど、抜群の実績を誇る野村。先発ローテーションの一員として投げていた昨季のシーズン途中に、右鎖骨下静脈血栓症除去の手術を受けた。リハビリを乗り越えたことで、今季は、復活を懸ける一年になるはずだった。

「リハビリ中は自分の思った通りに体が動いてくれない時があり、不安な気持ちを抱えて過ごすこともありましたが、早く一軍のマウンドに戻って投げたいという目標を持って頑張ってきました」

 春季キャンプは二軍スタート。オープン戦終盤まで一軍から招集がかからなかったが、オープン戦最終戦でチャンスが巡ってきた。この試合、ソフトバンク打線を相手に5回を投げて2安打無失点。安定感抜群の投球を披露し、最後の最後に開幕ローテの座を勝ち取った。