◆"隠し球を成功させた背番号『00

 2005年からはオリックスから移籍してきた山﨑浩司が使用。移籍1年目となった2005年、96試合に出場し、プロ初安打と初本塁打も放った。山﨑のプレーで印象深いのは『隠し球』。2007年8月に行われた巨人戦で、二塁走者の阿部慎之助を隠し球でアウトにするプレーをみせ、のちに記念Tシャツが発売された。

 2008年シーズン途中にトレードでオリックス・バファローズに復帰することとなり、そのトレードでカープ入りした田中彰が、入れ替わりに「00」を着けた。ちなみに、オリックス移籍後の2009年6月に行われたソフトバンク戦。この試合でも山﨑は隠し球を成功させ、両リーグで隠し球を成功させた数少ない選手となった。

 田中が2010年シーズン限りで引退すると、2011年からは中東直己が「35」から変更。社会人野球からドラフト5位でカープに入団した中東は2007年にプロデビュー。しばらくは二軍の方が長かったが、「00」に変更した2011年からは一軍に定着し、64試合に出場。その後も安定した出場数を記録していたが、2015年に成績を下げると、2016年に退団となった。

◆守備、走塁で出場機会を増やす

 その後2年のブランクを経て、今季も「00」を背負っているのが、2019年に「59」から変更した曽根海成だ。京都国際高から、2013年の育成ドラフトで3巡目指名を受けてソフトバンクに入団した曽根は、2017年に初の一軍出場。その翌年、カープに移籍。初年の2018年は11試合出場にとどまったが、2019年は、代走・守備固めとして一軍に定着し、64試合に出場した。

 昨季は33試合、そして今季は、前半戦ですでに34試合と前年を超える試合に出場しており、着実に存在感を増している。「00」という背番号は数字の特殊さゆえに、これからどういう特徴を持つかは背負う選手にかかっている。曽根が「00」にどんな色を加えていくか、楽しみに見守りたい。

【背番号『00』を背負った主なカープ選手】
アレン(外野手/1991年)
嶋重宣(内野手/2000年-2003年)
山﨑浩司(内野手/2005年-2008年)
中東直己(外野手/2011年-2016年)
曽根海成(内野手/2019年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。