昨季の一軍登板はわずか6試合。プロ12年目の今季、復活を目指す今村猛投手。

 二軍でチーム最多タイの24試合に登板している今村猛。7月4日の中日戦(二軍・由宇)では、1イニングをわずか6球で無失点に抑えるなど、リーグ3連覇を支えた右腕が状態を上げてきている。

 昨季はわずか6試合の登板。それだけに、今村にとっては悔しいシーズンとなった。

「(リーグ3連覇中は)考え方と体が一致していたと思います。ただ、昨年は全てが思うようにいかなかったです。思ったところに投げられないし、思ったような球筋の球を投げられない。投手としてストレートをもう一回磨き直したいと思っていたのですが、ストレートだけではなく変化球もまったく操れませんでした」

 課題はピッチングの軸となるストレート。自身が頭に描く直球を思い通りに投げることができなかったため、変化球も活きてこなかった。その反省を踏まえ、今季の今村は、一軍でセットアッパーとして活躍した頃のようなノビのある直球を取り戻すために調整を重ねた。

「今年はストレートの感覚が良いので、それを軸に変化球を使ったり、打者と駆け引きができる余裕も生まれています。良い手応えを感じています」

 その手応えは着実に結果としてあらわれている。チーム最多タイの24試合に登板し、防御率は2.55。リリーフとして安定した投球をみせている。

 また、二軍では、優勝経験のある中﨑翔太や一岡竜司も調整を続けている。一岡は、今村と同じ24試合に登板。中﨑は20試合に登板するなど、一軍経験が豊富なリリーフ投手の活躍が目立つ。

「若い選手が一軍で活躍していますが、チームが困った時には僕らの経験が活きてくると思っていますし、まだまだ僕らは問題なくやれると思っています。しっかりと調整して、いつ一軍に呼ばれてもいい状態にしておきたいです」

 一軍のペナントレース後半戦は8月13日からスタートする。長年カープのブルペンを支えてきた剛腕は、現状を打破して逆襲の切り札になれるか。プロ12年目の巻き返しに期待したい。