プロ2年目までは内野手登録だった鈴木選手。

 さまざまな経験を積む中で周囲の環境も変化していた。2014年シーズン限りで野村謙二郎監督が退任を発表し、後任として2015年シーズンから緒方孝市監督が新たに指揮を執ることになった。そして緒方監督の方針もあり、春季キャンプでは内野手登録ながら外野一本の練習にシフトチェンジ。このポジション変更を転機とする形で、鈴木は一軍定着への足がかりをつかんでいく。

「昨年(2014年)11月に台湾から帰国(U21W杯日本代表に選出され、首位打者と外野手としてベストナインを獲得)した後に、緒方監督から直接『来年は外野でいくぞ』ということを言われました。正直、内野ではまだ通用しないという思いがありましたし、出るなら外野という気持ちがありました。『外野でいくぞ』と言われたので気持ちは固まりました」

 春のキャンプを前に、鈴木は本格的に外野手としてプレーすることが決まった。キャンプ前の自主トレでは、選手としてレベルアップするため、志願する形で当時チームの主力へ駆け上がっていた外野の先輩でもある丸佳浩(現巨人)と行動を共にした。それと並行する形で個人としても継続的にウエートトレーニングも続け、着実にプロの体をつくりあげていった。

「昨年は体を大きくする目的を持ってウエートトレーニングをやっていたのですが、今年はどちらかと言えばケガ予防の意味を含めてウエートをしていました。そういうトレーニングをしながらも、しっかり走ったりして筋力を上げていきました。今年に入って特に体重は気にしています。昨季調子が良かった時期は81キロだったのですが、それでは1年も持たないと思ったので、オフに85キロまで増やしました。それでもキャンプに入って走れているので、あとは落とさないことが目標です」

 プロ入り時は比較的細っそりとした体型だったが、2年間の反省も踏まえて85キロまで増量。打者としてのテクニックと共にパワーも着実に身につけながら、プロ3度目のキャンプへと臨んでいった。