カープ・森下暢仁投手。

 東京五輪の野球競技。8月7日に行われた決勝で、日本がアメリカを2対0で下し、五輪で野球が正式競技となってからは初の金メダルを獲得した。

 悲願の金メダルを懸けた試合の先発を任されたのは、カープの2年目・森下暢仁。5回を3安打無失点、5奪三振の好投で先発の仕事を全うした。

 森下の真骨頂が出たのは、村上宗隆(ヤクルト)の本塁打で先制した直後の4回表。アメリカは3番から始まる打順だったが、先頭打者を緩い変化球で空振り三振。4番と5番はいずれも内野ゴロに仕留めて、得点直後のイニングを三者凡退に抑える投球をみせた。また5回には2死から一、二塁のピンチを迎えるが、この場面でも動じることなく、落ち着いて後続を抑えてアメリカに流れを渡さなかった。

「4年に1度しか開催されない素晴らしい大会に出場できるというのは、自分のこれからの野球人生にプラスになると思います」

 五輪前にそう話していた森下。前向きに、そしてどん欲に、今回の五輪の舞台を見据えていた。今大会は先発で2勝。重圧がかかる登板にもかかわらず、しっかりと結果を残したことは森下にとっても大きな自信となったはずだ。

 日本代表の先発2番手を任され、金メダル獲得に大きく貢献。大役を果たした森下が、カープのユニホームを纏って迎える後半戦、どんな活躍をみせてくれるか楽しみに見守りたい。