オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナーを務め、メジャー時代は「マック(高島の愛称)はゴッドハンドを持っている」と高い評価を得たトレーナー・高島誠。この連載では、数々のプロ野球選手を指導してきた経験をもとに、これまで公では語られることのなかった、マック流・野球パフォーマンスアップの秘密を披露していく。

オリックスの谷岡投手の球速が25キロもアップした理由

野球専門のトレーニングジム「Mac’s Trainer Room」代表の高島誠です。4月7日から始まった『Mac高島の超野球塾』の連載をご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、前回ご紹介した谷岡楓太投手(広島・武田高出身。現オリックス・バファローズ)の球速がアップした秘密について紹介していきます。

昨年のドラフトで、僕がトレーニングを担当していた谷岡投手が、オリックス・バファローズに育成ドラフト2位で入団しました。実は、高校1年の頃の谷岡投手の球速は125km。それが3年時には150kmの速球を投げる投手に成長し、ドラフトで指名されるまでになりました。

谷岡投手の話をする前に、まず投手が意識してほしい体のポイントがあります。それは『柔軟性」です。すべての選手に必要な要素ですが特に投手の場合、良い球を投げられるかどうかは、体の柔らかさが大事です。日常生活を送るときも、体が硬いと何をするにしても体に負担がかかってしまいますが、柔軟性を高めておくと、ケガの予防につながります。

一連の投球フォームのなかでの俊敏な動きは、筋肉を柔らかく保っておかないとスムーズにできません。特に、低めに強い球を投げるためには、下半身の動きが重要になってきます。その時、体が硬いまま投げ続けるとケガをする確率が高まります。体が柔らかいと良い動作ができますし、良い動作ができる選手はケガをしにくいということです。そして、柔軟性は、投げ込みで鍛えることができません。