◆今季は結果にこだわって投げ抜く

―ケガから復帰し順調にステップアップを重ねられていますが、1年に及ぶリハビリ期間中は、先の見えない不安もあったと思います。その不安とはどう向き合ってこられたのでしょうか?

「マツダスタジアムで投げる自分の姿を想像しながら練習に取り組んできました。言いようのない不安があるなかで、目指すものがないとリハビリもマンネリ化してしまうと思ったので、もう一度、一軍の舞台で活躍したいという強い気持ちを原動力にしてきました」

―リハビリ中は、たくさんの方の支えがあったと思います。

「そうですね。リハビリや練習に付き合ってくれたトレーナーさんやコーチの方を含め、いろんな人にお世話になりました」

―お世話になった方とのエピソードで思い出に残っていることはありますか?

「多くの方の力を借りてリハビリを進めましたが、ひとり名前をあげさせていただくなら、昨年までカープに在籍されていた小川(靖之)トレーナーとのやりとりが印象に残っています。毎日左肘の状態をみながらトレーニングを考えてくださり、今やっているトレーニングにどういった意味があるかも丁寧に教えてくれました。ときには練習したい気持ちをぶつけることもありましたが、そういう葛藤も受け止めてくださり、一緒に前を向いて歩んでくれました。また、自分が思っていることを、知識や年齢は関係なくしっかりと聞いてくださったこともうれしかったですね。迷惑もかけましたが、小川さんには本当にお世話になりました」

―長いリハビリを経て昨年9月5日のソフトバンク戦(二軍戦)に登板。実戦復帰を果たされました。

「いろいろな方から激励の言葉をもらいました。小川さんを含め、たくさんの方に支えてもらったからこそ辛いリハビリを乗り越えることができのたで、もう一度マウンドに戻ってくることができて本当に良かったです」

―今年は2018年以来、3年ぶりの一軍登板が期待されています。一軍の先発ローテーションに入るためにどんな課題を持って取り組んでおられますか?

「実戦で投げると、良いところばかりではなく悪いところも見えてきます。その課題から目をそらさず、しっかりと自分のなかで消化して、良かったところは忘れずに継続し、逆に改善しないといけないところは次の試合で直せるように心がけています。あとは先ほども言いましたが、とにかく結果にこだわって投げていきたいと思っています」

◆プロフィール
高橋昂也 34
■たかはし・こうや ■1998年9月27日生(22歳)■181cm/87kg   
■左投左打/投手 ■埼玉県出身 ■花咲徳栄高-広島(2016年ドラフト2位)