9月12日(日)、日本初の女子プロサッカーリーグ『Yogibo WEリーグ』が開幕の時を迎える。WEリーグ元年を戦うのは全11チーム。サンフレッチェ広島レジーナは『共感』というチームスローガンを掲げ、初のシーズンを戦っていく。開幕戦の相手は、ちふれASエルフェン埼玉(17時キックオフ・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)。ホームアンドアウェー方式による総当たりのリーグ戦を戦い、初年度の優勝を目指す。

 ここでは、WEリーグ開幕を記念して、サンフレッチェ広島レジーナの初代主将に就任した近賀ゆかりの独占ロングインタビューを再編集して掲載。今回は、女子サッカー界を牽引するレジェンドが広島移籍を決めた理由、そして、主将に込めた思いをお届けする。

サンフレッチェ広島レジーナの初代主将に就任した近賀ゆかり選手。

◆クラブの方の言葉で移籍を決断

─これまで日本代表として五輪に2度、W杯に3度出場。海外リーグでの実績も豊富な近賀選手が、広島でプレーすることを決めた理由を教えてください。

「日本で初めて女子サッカーのプロリーグが始まると聞いた時、うれしかったですし、挑戦する機会があれば、チャレンジしたいという思いがありました。その中で、レジーナから声をかけてもらい、クラブの考え方や女子サッカーに対する思いを伝えていただくなかで、『自分の全てをここで出し切りたい』という思いが芽生え、心を決めました。ゼロからクラブがスタートする、その第一歩に携わることができて光栄です」

ーゼロからのスタートということで、不安などはなかったのでしょうか?

「もちろん環境も含めて何も分からない状態だったのですが、それでも広島に来たいと思えたのは、クラブの方の言葉が大きいです。いただいた言葉で決断できましたし、心が決まりました」

─チームの初代主将を任されます。日本代表では澤穂希さんや宮間あやさんなど数々の主将と一緒にプレーされてきましたが、どんな主将を目指していますか?

「代表の時は、私は自分のことをしっかりやろうという気持ちでプレーしていましたが、主将だった澤さんや宮間は、私以上の重圧を抱えていたでしょうし、いろんな葛藤もあったのではないかと思います。ただ、チームをつくっていくうえで、主将だけが責任を背負ってほしくはないということはずっと感じていました。そのなかで、澤さんや宮間をはじめ、これまで見てきたどの主将も『チームの輪』を大切にしていました。レジーナは新しいチームでもあるだけに、そういう輪であったり、選手同士のつながりを大事にしたいと思っています」

─澤さんや宮間さんと一緒にプレーした五輪での経験はどう活きていますか?

「五輪は日本でスポーツをやっている者にとって非常に大事なイベントです。今、女子サッカーはある程度、認知されるようになってきましたが、10年前まで女子サッカーの認知度は低かったと思います。ただ、W杯で優勝し、五輪でもメダルを取ったことで、一気に競技の知名度が上がりました。そういう意味では、五輪で活躍する、メダルを獲得するということは、自分自身にとってはもちろん、携わっている競技にとっても大きなことだと思いますね」

◆プロフィール
近賀ゆかり #10
きんが・ゆかり/1984年5月2日生/神奈川県出身/MF/161cm・51kg
女子サッカー界を牽引するレジェンド。2004年〜2016年、女子日本代表「なでしこジャパン」でプレー。100試合に出場し5得点を記録。2011年にW杯優勝、2012年のロンドン五輪では銀メダルを獲得するなど、数々の実績を持つ。

【レジーナINFORMATION】
第1節
9月12日(日)ちふれASエルフェン埼玉戦
17:00 KICKOFF
熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

第2節(地元開幕戦)
9月18日(土)マイナビ仙台レディース戦
18:00 KICKOFF
広島広域公園第一球技場