プロ野球界における二つのマネジメント

 プロ野球には、大きく二つのマネジメントが求められる。一つは球団経営の『ビジネスマネジメント」、もう一つはチームづくりと戦い方の『フィールドマネジメント」だ。この両輪がうまく機能したことが、2016〜2018年までのカープの安定した勝ちを実現したのだ。

 2019年時点で、マツダスタジアムの年間観客動員数は220万人、売上高は前年から約20億の減少となったものの、約169億円。そして45年連続の黒字を達成した。これは、カープの『サービス・プロフィット・チェーン」(図1)が上手く回っていることを意味している。

上記の挙げた3要素が良い形で循環し、カープの組織としてパフォーマンスを高めている。

 選手満足度が高まり、パフォーマンスが上がれば、観戦したファンの満足度(人気)も高まる。それはチーム成績に反映され、チケットやグッズ販売の売上につながる。当然、ここで生まれた利益は選手へと還元されるため、選手満足度はさらに上昇する。

 『ファンを満足させるためには、まずは選手を満足させること」。ファンをゲストに、そして選手をキャストに置き換えるとこれは、すなわちディズニーリゾートが徹底する『インターナル・マーケティング」に他ならない。