◆ファン時代はケガを抱えている選手への憧れがあった
2012年のときのリハビリでも、またプロレスができるようになるのかな? って思いながら、ひたすら耐えていました。そのうち、昨日よりちょっと膝が曲がるようになったなとか、ちょっとした変化がうれしくなってきて、気の遠くなるような作業ではありましたけど、なんとか乗り越えることができました。でも結局、2012年の長期欠場のときは、復帰をするときまでネガティブな気持ちを切り替えることはできなかったですね。
ファン時代はプロレスラーに限らず、プロ野球選手もそうですけど、ケガを抱えながらでも闘っている、プレーしている選手がカッコいいなと思っていました。ケガを抱えている選手への憧れがあったんです。
たとえばプロレスラーであれば、オレがファン時代に応援していた武藤敬司選手、棚橋弘至選手も膝に負傷を抱えていたし、カープでも前田智徳さんがアキレス腱の断裂から復活したときはカッコ良かったですよね。
なんなら現役を終えたあとも引きずるようなケガへの憧れもあったんですけど、実際に自分がケガをしたらそんなにカッコいいものではないし、前までできていたことができなくなったりもしますからね。
ただ、確かに手術とかをすると肉体的なハンディも背負いますけど、いまとなっては良い経験をしたと思えます。ケガをしたときにネガティブになりすぎるのは良くないと思ったし、メンタル、気持ちの保ち方的な部分での学びはありました。
休むと決まったら気持ちを切り替えないとダメだし、復帰したときにどうするかを考えないといけない。今回も含めてケガで休むことになったら、もちろん気楽な気持ちでいることはできないし、焦りがないと言ったらウソになります。
その中でも、じゃあいま何ができるか、いま何を考えるべきか、いま何が必要かって思うようになったのは、右膝で欠場したときの経験からですね。