プロ2年目ながら先発ローテーションに定着した池谷公二郎氏。リーグ2位となる18勝をマークし、初優勝に大きく貢献した。

優勝パレードに30万人が集結

 優勝の5日後には広島市内で優勝パレードが行われた。沿道に詰めかけたファンの総数は約30万人。古葉監督をはじめ、選手たちの目にも当時の光景は今もくっきりと焼き付いている。

「沿道のカープファンのみなさんの中に、遺影を持っている方や正座をして涙を流している方など長年優勝を待ち望んでいた方々の姿がありました。その光景を見て『良いことをしたんだな』と思うと同時に、若かった私はカープの苦難の歴史を肌で感じたような気がしました。それだけ初優勝というのは球団、選手のみならず、カープファンや県民のみなさんにとっても大きな出来事だったと思いますね」

 万年Bクラスと揶揄された球団が見せた、奇跡とも言える初優勝。負け癖を払拭した選手たちは、後に古葉監督、阿南準郎監督、山本浩二監督のもとで昭和後期から平成初期にかけての黄金期を築き上げていった。

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