カープは序盤から投打の歯車が噛み合わず、苦戦を強いられてきた。そんな中でリリーフ投手陣に注目すると、やはりストッパーに抜擢された栗林良吏が目覚ましい活躍を見せた。
しかし、栗林につなぐまでのリリーフ陣を固定することができず、苦しい試合展開も多くあった。そんな今季のカープリリーフ陣について、カープOBの大野豊氏の見解を聞いた。
◆まだまだ安定感に欠ける部分が多い
昨季、今季と、先発はもちろん“リリーフの形を整えていく”という課題がありました。その中で今季は、クローザーに栗林良吏が固定されたことで、課題の一つが解決できました。
では、その前をどうするのか。栗林につなぐセットアッパー、つまり7回、8回を確実に投げられる投手を、ある程度固定することが課題として残っています。
チームを率いて2年目の佐々岡監督も、若い投手を起用して経験を積ませていますが、“育てながら勝ちに導く”ところには、まだ至っていません。
栗林につなぐ投手を、今いる選手たちで底上げしていくのか、ドラフトで補充するのか、それとも外国人で補強するのかを見極めなければなりません。
外国人投手で言えば、今季は機能していない状況に近いものがありました。フランスア、バードあたりが一人でも活躍していればもっと違った戦いを展開できたかもしれません。
シーズン終盤は島内颯太郎、ケムナ誠、塹江敦哉、森浦大輔の4人を起用しながら戦っていますが、まだまだ安定感に欠ける部分があります。7回、8回から登板する投手には8〜9割の高い成功率が求められますが、今のリリーフ陣は五分五分のような印象があります。
では何がダメなのかと言えば、やはりコントロールでしょう。
ブルペンのメンバーを見るとパワーピッチャーは多くいますが、ここぞの場面での制球力に欠けている印象です。「たまたまストライクを外れたから打たれた」というものと違って、見ていてドキドキしてしまうような投球、つまりストライクもアバウトで結果オーライとなっているように感じます。
投球には根拠が必要になってきます。たとえば「このカウントでアウトコースに投げ、インサイドを突いて、最終的に変化球で打ち取る」といったように配球で抑えられるようになってほしいですね。