就任2年目の佐々岡真司監督の下で逆襲のシーズンに臨んだ今季のカープ。序盤から投打の歯車が噛み合わず、3年連続Bクラスとなる4位に終わった。

今季、初の規定打席に到達し、打率3割をマークしている坂倉将吾。

 苦しい戦いを強いられたシーズンとなったが、多くの若手選手が躍動し、終盤9月以降は来季に期待の持てる試合も多くあった。ここではカープOBでもある笘篠賢治氏が、今季カープを踏まえて上で来季について提言する。

◆試合後半のゲームメイクに期待したい

 後半戦に入ってから代打、走塁、代走などの野手起用に関しては、ある程度、今後の見通しが経ったのではないかと思います。

 ただ投手起用に関しては、9回打ち切りというルールがあるなかで、個人的に疑問が残る部分も感じています。とはいえ、9月以降は6連勝を記録するなど好調な戦いぶりを見せて、月間でいえば9月は貯金2で勝ち越しました。

 エースの大瀬良大地、後半戦調子が上がらない森下暢仁が勝てていないなかで貯金ができるということは、カープというチームは、効果的な攻めをしていけば、勝てる要素が大いにあるわけです。

 今季は栗林良吏につなぐまでのリリーフ陣を固めることができませんでした。投手起用も含めて、試合後半をうまくゲームメイクをしながら、ムダな失点を抑えるような選手起用を期待したいです。

 坂倉将吾をはじめ、小園海斗、林晃汰などの若手打者たちが急速に力をつけてきているので、リーグ3連覇を達成した強かった時期のような、ビハインドをひっくり返す「逆転のカープ」も再び見られるようになると感じています。

 そういう意味では、来季就任3年目となる佐々岡監督には、〝この選手と心中する”くらいの覚悟を持ち、選手起用や采配面で勝負をかけてもらいたいですね。

 あっと驚く奇襲を仕掛けるくらい勝利への執念を見せて欲しいですし、それができないチームではないと思います。

 打線の中心である4番には鈴木誠也を置いた上で、彼を挟む3番、5番の中軸を固め、1、2番に座る打者には足を絡めた攻めを期待したいです。

 来季は今季の成績を踏まえ、上位から中軸においては変動制ではなく、決まったオーダーを組んでほしいですね。

 そして、カープの伝統である粘り強い攻めを再び取り戻し、ファンのみなさんの心を熱くさせる試合を数多く届けてくれることを期待したいと思います。