サンフレッチェで10番を背負い躍動する森島司。パスセンスはもちろん、前線への飛び出しに加え、足元の技術もあるなど、豊富なプレーで攻撃のバリエーションを増やしている。

 攻撃に守備にとタフに走れ、ドリブルも切れるしFKの精度も抜群。突出したサッカーセンスを持つサンフレッチェの10番・森島司。笑顔の内側に熱い闘志を秘めた森島に、今シーズンの課題、プレーの手本にしている選手について聞いた。(全3回のうち2回目)

セットプレーのキッカーを任されるなど、サンフレッチェの中盤のキーマンとして起用されている森島司選手。

◆若くして高いスキルを発揮。技術面は柴﨑晃誠をリスペクト

―今シーズンも残り少なくなってきました。残り試合に向けて、どのようなテーマを持ち練習に取り組んでいますか?

「チームとしては、パススピードを上げることをテーマにしています。僕自身は右肩をケガしたことでコンディションを落としてしまったので、早く元の状態に戻せるように取り組んでいます。ケガで試合に出場することができなかった期間は、トレーナーさんたちに本当によくしてもらいました。もちろんケガはしない方がいいですし、試合中は負傷しないように心がけていますが、今回は、筋肉を傷めたりしたようなケガではなく、外からの衝撃を受けて負ったものなので仕方ないと割り切り回復に努めてきました」

―森島選手は一見、体の線が細いように見えますが、相手選手との競り合いには強いイメージがあります。

「それはよく言われますね。当たりの強さを意識しているので、その効果があるのかもしれませんが、なぜかと言われると自分でもよく分かりません。試合中は、相手との競り合いに負けると思うことはありませんが、フィジカルで勝っているかと言うとそうでもない。ただ、試合を振り返ると競り合いに勝っている割合が多いんです。今後も競り負けないように当たりだけは強く意識していきたいと思います」

―昨シーズンは直接フリーキックによるゴールを二度決められました。この先、得点を重ねていくためには、フリーキックも大事になってきます。

「チームを代表して蹴らしてもらっている以上は得点を奪いたいと思っています。ただ、これまでコーナーキックやフリーキックを蹴ってきた選手ではありません。城福監督になって蹴るようになったので、この経験を活かして、フリーキックの質を高めていきたいと思っています」

―今シーズン、印象に残っている試合はありますか?

「う〜ん、今年は特にないですね」

―サンフレッチェに入団して迎えたJ1のデビュー戦(2017年2月25日・新潟戦)で、相手5人を抜いたドリブルが印象深いです。

「新潟との開幕戦ですね。開幕戦に出させてもらえてうれしかったですし、J1のデビュー戦ということで、ここから頑張ろうと、より強く意識したのを思い出します」

―昔からドリブルは得意だったのでしょうか?

「高校ではずっとボランチのポジションでプレーしていたため、基本的にはパスを出すことのほうが多かったです。なのでドリブルに関しては、プロに入ってからですね。チャレンジしてみると、予想以上に手応えがあったので、できるんだということを示していきたいと思っています」

―チームの中で、プレーの手本にしている選手はいますか?

「加入したときから、ずっと(柴﨑)晃誠さんのプレーを手本にしています。晃誠さんは、チームの中で一番サッカーが上手いと思っています。だからこそ、今も現役でプレーできているのだと思います。頻繁にアドバイスをいただくことはありませんが、晃誠さんも僕のことをすごいと言ってくれることがあるので、お互いにリスペクトできている感じだと思います」