2021年に、広島アスリートマガジンWEBで反響が大きかった記事をお送りする「過去記事セレクション」。今回は、プロ3年目で戦力外となった、鈴木投手ついての記事をお送りします。(公開日2021年10月)

2019年ドラフト3位入団も、無念の戦力外通告となった鈴木寛人。

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 2019年ドラフト3位でカープに入団を果たした期待の長身右腕・鈴木寛人が、わずかプロ2年目で無念の戦力外通告を受けた。

 佐々岡カープ一期生である鈴木。高校時代にはエースとして夏の甲子園にも出場。長身から投じられる速球はプロのスカウトから注目を浴びていた。

 同期のドラフト1位は昨季新人王に輝いた森下暢仁、ドラフト2位は現在一軍で猛アピールを続ける宇草孔基、同学年では今季一軍で先発ローテーションで投げ続ける玉村昇悟がドラフト6位。また、遠藤淳志は霞ヶ浦高の2年先輩だ。

 「角度のある真っ直ぐと、キレのあるスライダーを得意にしています。あとフォークも見てほしいです」

 入団会見では、自身の特徴を堂々と語っていた鈴木。186センチという長身、150キロ前後の速球と、ポテンシャルの高さは誰もが認めるところだった。ルーキーイヤーとなった昨季は二軍で主に体力強化に励んだ。育成という意味合いが強いとは言え、わずか1試合登板に終わった。

 飛躍を誓ったプロ2年目の今シーズンであったが、二軍での登板もなかった。カープの2年間で残った数字は、1イニングを投げて2安打1失点1四球、防御率9.00。二十歳の長身右腕は自身の特徴を全く発揮できず、カープのユニホームを脱ぐことになった。