2021年、カープは4位に終わり、2022年に向けてドラフト会議では育成を含めて6投手を補強した。一方で6人の投手、3人の野手が戦力外となった。ここでは、2021年限りで戦力外となった選手たちを振り返っていく。今回は野手編をお送りする。

長打力を武器に入団も、一軍では1本塁打に終わった髙橋大樹

◆「鈴木誠也と同期入団のドラ1外野手。無念の戦力外」
髙橋大樹/龍谷大平安高-広島(2012年ドラフト1位)

通算成績
(一軍)49試合 79打数 20安打 1本塁打 3打点 23三振 打率.253 (二軍)605試合 1668打数 410安打 39本塁打 198打点 284三振 打率.246

 龍谷大平安高時代は4番を打ち、高校通算43本塁打をマーク。強打の外野手として2012年ドラフト1位指名された高橋。入団後は同期の鈴木誠也(2位)、美間優槻(5位)と共に高卒野手トリオで二軍で汗を流した。

 プロ2年目に一軍初出場を果たすも数字を残せない日々が続いた。しかし、2017年には二軍で87安打を放つなど結果を残すと、2018年にはファームで月間MVPを獲得するなど打撃の進化を見せた。同年4月30日の阪神戦ではプロ初安打も記録。

 また翌2019年にはDeNA戦でプロ初本塁打を放つなど27試合に出場し、12安打、1本塁打、3打点を記録。積極的に振るスタイルで一軍外野争いを演じた。だが昨季は一軍で3安打と一軍に定着できず。逆襲を誓った今季は一軍出場もなかった。同期の鈴木誠也と共に期待され続けた男が、赤いユニホームを脱ぐ。

◆「フルスイングと俊足が武器も、課題の打撃力でアピールできず」
桒原 樹/常葉学園菊川高-広島(2014年ドラフト5位)

通算成績
(一軍)3試合 3打数 0安打 打率.000 (二軍)540試合 1502打数 366安打 10本塁打 109打点 71盗塁 298三振 打率.244

 俊足とパンチ力も魅力の内野手として注目され、2014年ドラフトで5位指名を受け、緒方孝市監督政権一期生として入団。2年目からは二軍で3年連続で100試合以上に出場し258安打、50盗塁を記録。次代を担う若手として期待をかけられた。

 だが3連覇中の同ポジションには田中広輔がおりチャンスは巡ってこなかった。2018年オフには出場機会を求め外野にも挑戦。一軍初出場は昨季。同年9月5日のDeNA戦で守備から途中出場し、初打席も経験した。

 プロ6年目で一軍デビューを果たしたが3打数無安打に終わる。その後は二軍での出場機会も限られ、代打出場が増えていた。背水の陣で臨んだ今シーズンだったが、一軍に昇格することができなかった。将来を嘱望され続けた大型内野手が、7年間背負った背番号45、赤いユニホームに別れを告げる。

◆「パワフルな打撃が魅力も、結果を残せずプロ4年目の戦力外に」
永井敦士/二松学舎大附高-広島(2017年ドラフト4位)

通算成績
 (二軍)234試合 474打数 96安打 5本塁打 36打点 12盗塁 136三振 打率.203

「母校の偉大な先輩ですし、いつか誠也さんと一緒に一軍の舞台で活躍できるように、一生懸命頑張ります」。高校の先輩である鈴木を目指してプロ生活をスタートした永井。

 1年目に二軍で62試合に出場し、プロ2年目は二軍で85試合に出場して44安打、打率.250、3本塁打と前年を上回る数字を残した。地道にステップアップしていたが、プロ3年目に左手を骨折するなど故障に泣いた。

 2020年は同じ外野手の大盛穂、1学年後輩となる羽月隆太郎も外野として存在感を示すなど、ライバルたちのアピールに焦りを感じる日々を送っていた。「結果が全てだという思いを持って、とにかく打っていきたい」。強い気持ちを持って迎えたプロ4年目の今シーズン。二軍で60試合に出場するも、17安打、打率.207、本塁打は0。アピールすべき打撃面で結果を残すことができなかった。プロ4年間で一軍昇格はならず、先輩である鈴木誠也とのプレーは叶わなかった。