広島アスリートマガジンWEBでは、これまでカープやサンフレッチェをはじめ、広島のスポーツの魅力を伝えてきた。そこで、昨年特に反響の多かった記事を振り返り、2022年のスタートを切る。

 今回は、今季セットアッパーとしての期待がかかる島内颯太の独占インタビュー。大きな期待と共に2018年、ドラフト2位でカープに入団。1年目からリリーフとして登板を重ね経験を積むと、今季ブレイク。試合を重ねるごとに調子をあげ、後半戦は勝ち継投を担うことも増えた。一番の武器となるストレートで真っ向勝負していく姿は観る者を魅了する。プロ生活3年間の軌跡を島内の言葉で振り返っていく。(2021年11月15日・17日掲載)

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昨季、リリーフとして51試合に登板した島内颯太郎。

◆あの日のドラフトから2年。同学年の栗林良吏と運命の再会

─プロ1年目の話を伺っていきます。島内投手は2018年ドラフト2位でカープに入団しましたが、当時、2位で指名される予感はあったのでしょうか?

「それはなかったです。当時の僕は3位以上でなければ社会人で野球を続けることが決まっていました。指名を受けたとしても3位だろうと思っていたので、2位指名は全く予想しておらず、とにかくうれしかったのを覚えています」

─担当の末永真史スカウトは、島内選手にとってどんな存在ですか?

「シーズン中もマメに連絡をくださり、プロ入り後もお世話になっています。僕にプロで勝負するきっかけをつくってくれたのは末永さんなので、感謝してもしきれない思いがあります」

─スカウトの方に話を聞くと、2位指名を島内投手か栗林投手(当時は名城大)で迷った挙句、最終的に島内投手の指名に至ったと聞きました。社会人を経て栗林投手もカープに入り、共に一軍ブルペンを支えていますが、当時の話を栗林投手としたことはありますか?

「春季キャンプの時に栗林から『お前のせいで、大学の時にプロに入れなかったんだぞ』と冗談っぽく言われました(笑)。笑って誤魔化しましたが、今は同じリリーフとして投げていますし、栗林とは縁を感じることがありますね」

─同学年の栗林投手からはどんな影響を受けていますか?

「プロ1年目ということを感じさせない落ち着きがあるのはすごいです。登板までのルーティーンもしっかりしており、そういったプロ意識の部分は、僕自身、見習うことも多いですね」

─島内投手や栗林投手をはじめ、若い選手が増えている、今の一軍の雰囲気をどう感じていますか?

「昨年と違い、リリーフのメンバーも同世代の選手が多くなりました。周りが結果を出していると、自分も負けていられないという気持ちになります。僕にとってはその意識が高くなったことが一番大きいですね。また、若い選手が伸び伸びやれる雰囲気を先輩方がつくってくれています。そういう意味ではすごく良い雰囲気で野球ができていると思います」