◆エルドレッドでイメージが完全に定着

 2012年にトレードで西武に移籍した嶋の後を継いだのが、内野手のエルドレッド。打線の主軸が故障などにより安定感を欠く中で途中加入した助っ人は、7月10日に一軍初出場。8月4日に来日初アーチを放つと、そこから約2カ月で11本塁打を記録した。

 2013年には球団初進出となったクライマックス・シリーズで大飛球をキャッチするファインプレーを見せ、翌2014年には打撃力が爆発。37本塁打で自身初タイトルとなる本塁打王を獲得した。2016年には自身初の日本シリーズで3試合連続本塁打を放つ活躍も。2018年までプレーし、カープで野球人生にピリオドを打ったが、外国人選手としては異例の引退式が開催された事実が、彼が選手にもファンにも愛されたことの何よりの証明だろう。

 そのエルドレッドの後を受けて2019年から現在まで『55』を背負っているのが、松山竜平だ。2007年ドラフトの大学・社会人4巡目で入団。当初はプロの壁に阻まれ、長い下積みを余儀なくされたが、2013年には124試合に出場し、初の二桁本塁打(10本)を記録。以降、持ち前の打撃力を武器に、一軍に欠かせない戦力として現在も活躍を続けている。

 2018年はシーズンの大半で5番打者としてスタメン起用され、11年目で初めて悲願の規定打席に到達し、打率3割、二桁本塁打を共にクリア。背番号『55』をつけた後も活躍を続け、リーグ3連覇の立役者の一人ともなった。

 当初はイメージが定着しづらかった背番号『55』は、今やスラッガーの番号として認識されるようになった。松山はこのイメージをさらに強固なものにしてくれることだろう。

【背番号『55』を背負った主なカープ選手】
紀藤真琴(投手/1984年-1987年)
嶋重宣(内野手/2004年-2012年)
エルドレッド (内野手/2012年-2018年)
松山竜平(外野手/2019年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。