昨季30歳を迎えて、同期入団の今村猛は現役引退。カープでの13年目は、新たな気持ちと共に迎える一年となる。昨シーズンは打率1割台、0本塁打に終わるなど低迷が続いた。それだけに今季は、悔しさを晴らす大事なシーズンとなる。

 逆境に陥っても大好きな野球に対して真摯に向き合ってきた。ユニホームを着続ける限り、何があっても決して諦めない。背番号7の今季に懸ける決意を届ける。(全3回のうち3回目・取材は1月中旬)

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13年目のシーズン、ポジション奪取に向けて日南キャンプで汗を流す堂林翔太。

◆ドラフト同期の今村猛への思い

ー91年生まれの同年代には、昨年現役を引退した今村猛投手もいます。2009年にドラフト1位と2位でカープに入団し、12年間チームメートとして過ごしてこられました。堂林選手にとって今村投手はどんな存在でしたか?

「高校生(中京大中京高)の頃は、彼のような投手を打たないと全国制覇はできないと感じていました。高校3年間で対戦したことはなかったのですが、3年春の甲子園で見た時、『ものすごい投手がいるな』と思ったのが出会いであり、その時の印象がとにかく大きいです(春の甲子園で今村の清峰高が全国制覇)。」

ー甲子園を湧かせた2人だけに入団後のお互いの成績は意識していましたか?

「高校までは僕も投手だったので気にはなりましたが、カープに入ってからは野手一本でプレーしたので、そこまで意識はしていませんでした」

ー堂林選手は、〝カープの今村猛〟をどう見ていましたか?

「マウンドに上がった時のオーラ、打者を見据える強い視線はすごかったですね。ユニホームを着ているだけではオフの時とあまり変わらないのですが、マウンドに上がり、打者と対峙した時は、一気にスイッチが入って別人のようでした。投げる球もそうですが、その雰囲気に圧倒される打者も多かったのではないでしょうか。すごい投手でした」

─2009年のドラフト組で現役を続けているのは堂林選手だけとなりました。今年も會澤翼選手と護摩行に参加されるなど、今季に懸ける思いも強いものがあるのではないでしょうか?

「昨年の悔しさは今年1年間、忘れることはないと思いますし、〝その悔しさを晴らす〟という強い思いを、常に頭に置いてプレーしていきたいと思っています」

ーチームとしては4年ぶりのリーグ優勝を目指していきます。どんな形で勝利に貢献しようと考えていますか?

「一番意識しているのは、先ほども言いましたが〝結果にこだわる〟こと。結果を出さないと一軍にいられないと思いますし、プロとして仕事をしているうちに入りません。とにかく結果を出すこと。そのためにも、自分のやるべきことをしっかりやっていきたいと思っています」

ー個人的な目標はどうでしょう?

「とにかくスタメンで一軍の試合に出ることが目標です。ポジションへのこだわりは持っていないので、試合に出場できるように、チームから求められるポジションで練習をして開幕に向けて準備をしていきたいと思っています」

ー結果を出すために、1年間貫いていきたいテーマなどはありますか?

「今はまだ決めていないです。春季キャンプでそういったものを見つけて、1年間戦えるようにしていきたいです」

◆堂林翔太 #7
1991年8月17日生、愛知県出身
183cm・92kg/右投右打/内野手/プロ13年目・30歳 中京大中京高-広島(2009年ドラフト2位)