◆大手術から奇跡の復活。新記録を打ち立てた鉄人

 桑原の後を受けて、外池大亮、ブラジル国籍のジニーニョ、クロアチア国籍のダバツがつけたのち、2011年に京都サンガF.C.から移籍してきたDF水本裕貴が4番を背負った。同年4月に試合中の接触プレーで頭蓋骨骨折および急性硬膜外血種の重傷を負って離脱したものの、ここから桑原同様の〝鉄人〟ぶりを発揮する。

 2011年8月のJ1リーグ第22節で復帰してフル出場すると、その後もフルタイム出場を続け、2015年5月のJ1第12節で、フィールドプレーヤー新記録となる127試合連続フルタイム出場を達成。常に良いコンディションを保ち、ケガに強く、監督の信頼を得るプレーを続けなければ達成できない偉大な記録だ。最終的に137試合まで記録を伸ばし、2012年、2013年、2015年のJ1リーグ優勝に大きく貢献した。

◆鉄人の背番号を志願して引き継いだ、広島が誇る鉄壁のDF

 水本が2019年途中に移籍でサンフレッチェを離れ、2020年は空き番号となっていた背番号4は、2021年からDF荒木隼人がつけている。サンフレッチェのユース時代、水本にあこがれており、クラブに志願して後継者に名乗りを上げた。水本に電話で連絡すると「俺を超えないように頑張ってね」とジョークを交えて激励されたそうだ。

 186センチの長身を生かした空中戦や対人プレーの強さで、関西大を経て加入したプロ1年目の2019年から、最終ラインの一角で出場機会を得てきた。4番の後継者となって2年目の今季は、水本を超えるような活躍と、タイトルへの貢献が期待される。