2016年の広島移籍以降、全監督に起用され続けている、まさに鉄板のDF。足下の技術、パスの精度、戦術眼、スピード……全てにおいて高いポテンシャルを持ち、攻撃への貢献度も高い。広島のプレッシングサッカーを支えるキーマンの独占インタビュー。
※取材は4月上旬。記事中のデータ、成績はすべて2022年5月6日時点のもの。
◆厚い信頼を勝ち取り連続出場を続ける鉄板DF
—今季チーム内では、若手が頭角を現しています。『鉄板』と言われている現在のDF陣でも競争意識を感じますか？
「DFには住吉ジェラニレショーンもいますし、昨季は今津（佑太）がスタメンで出た時期もあり、本当にレベルが高いです。若い選手がみんなギラギラしていて競争が生まれているので、すごく良い状態だと思います。僕も若い頃はポジションを取りたいという気持ちが強くてギラギラしていました。前線の選手も貪欲にスタメンやゴールを狙っていて、チーム全体に良い競争意識が生まれていると思います」
—前線の選手で注目しているのは？
「若手では藤井と満田（誠）ですね。あとは、僕と同い年の永井（龍）。彼はクロスからのボールに合わせた入り方が上手いですし、練習でも高い決定力を見せてくれています。今の広島のサッカーに合うと思うので、クロスからのシュート成功率をどんどん上げていってほしいですね」
—ユース出身選手が増え、チームの雰囲気に変化はありますか？
「もともとユース出身の選手は多かったですが、これだけ増えるとすごいですね。すでに試合に出て活躍している選手もいますし、これから伸びる可能性を秘めた選手もいます。みんなの仲が良いのも、雰囲気が良い理由でしょうね」
—野上選手は柴﨑軍団（柴﨑・柏・佐々木・野上ら4選手の通称）の一員ですね。
「そうです。実はユース組は柴﨑軍団のライバルで……というのは冗談ですが（笑）。柴﨑軍団はみんなベテランで、ユース組とはかなり年齢が離れていますから、ライバルという感じではないかもしれませんね（笑）。僕は30歳ですが、柴﨑軍団では一番年下なので、いつもめちゃくちゃいじられています。柏くんとか、話題に困ったら全部僕に振ってくるので大変です（笑）」
—本誌が発売した時には31歳を迎えられています。この先の選手生活はどんなビジョンを描いていますか？
「常に、上手くなりたい、成長したいと思っています。そして試合に出場し続けるには、監督やチームメートから信頼してもらえるように、練習からきちんと取り組み、アピールしていくことが大切です。あと何年、現役でサッカーができるか分からない中で、1日1日を大切にしていきたいと思っています」
—読者にメッセージをお願いします。
「今のサンフレッチェは面白いサッカーができていると思いますし、若くていい選手もたくさん出てきています。ぜひエディオンスタジアムに足を運んで、『推しメン』を見つけてください！」
《プロフィール》
野上結貴（のがみ ゆうき）
1991年4月20日生 東京都出身／DF
●2021年成績
サンフレッチェ広島／37試合 0得点 ※記録はリーグ戦のみ。
