30試合を戦って16勝13敗1分で、セ・リーグ3位のカープ。OBの笘篠賢治氏に、5月戦線のカギを握る打撃陣について語ってもらった。
◆小園のサヨナラ犠牲フライを生んだベンチの采配
開幕から約1ヶ月経過しましたが、カープの打撃陣は良い意識を持ちながら戦えていると思います。特に西川龍馬と坂倉将吾の2人は素晴らしい内容を見せてくれています。
得点圏打率(4月29日時点)を見てみると、西川が.440でリーグトップ。そして坂倉が.438でリーグ2位。西川に関しては打順が一番から三番に変わっても、しっかりと集中力高い打撃を続けてくれています。
坂倉に関しても様々なポジションで出場して大変な中、頑張ってくれていますよね。まだ気が早いですが、この2人の首位打者争いなんかも期待したくなります。
さて、4月22日のDeNA3連戦から打順が組み換えられましたが、23日の試合は一番に起用された堂林翔太が、3回裏に先制2点本塁打。バットが内から出て、芯で完璧に捉えてセンター方向に運び込みました。スタメンで、しかも上位打線という大事なところで出場して、すぐに結果を残したことは、波に乗っていける要因になっているでしょう。
そして、翌24日にも勝利して、巨人戦3連敗のあとにすぐ3タテできたのは非常に大きかったです。延長10回裏に坂倉将吾のタイムリーで追い付いて、その後1死満塁になってから三塁走者の坂倉に代走の中村奨成を送りました。
少々浅いフライでもスタートを切らせるつもりだったのだと思います。“さぁこれでサヨナラ勝ちするぞ”という采配が見てとれましたし、ベンチの戦力を最大限活かしきろうという首脳陣の強い意志を感じました。
選手もベンチもやるべきことをやったからこそ生み出された、小園海斗のサヨナラ犠牲フライだったと思いますね。