ルヴァンカップ、天皇杯、そしてリーグ戦……連戦が続く中、上位奪取に向かって邁進するサンフレッチェ広島。

 ここではサンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏に、2022年6月中旬からのサンフレッチェを振り返りながら、注目選手やプレーなどを熱く語ってもらった。

 吉田氏が感じた、現在のサンフレッチェを象徴する素晴らしい点とは……?(データは全て7月7日の取材時点)

(全3回のうち第3回)

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7月2日の磐田戦でJリーグデビューを飾ったユース出身の19歳、棚田遼

選手と監督の間に見える信頼関係。一体感が好プレーにつながる好循環

 リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯。3つの戦いをすべて期待を持って楽しめている今シーズンの状況は、非常にワクワクします。これまでサンフレッチェとカップ戦は相性が悪い傾向にありましたが、今年は違います。

 ルヴァンカップを自力で勝ち上がり、グループステージをトップで通過してきました。カップ戦の決勝戦独特の華やかな雰囲気の中でプレーする選手たちを、ぜひたくさんの人たちに見てもらいたいですし、そこで優勝してユニホームに4つ目の星をつけることができれば理想的だと思います。

 監督がチームに合流できないという異常事態でスタートした今シーズンですが、今のサンフレッチェは、遠くから見ていても一体感が感じられる、すばらしいチームになってきています。当然、選手たちは監督を信頼していますし、監督もまた、選手一人ひとりを信頼していることがわかります。その強い信頼関係があるからこそ、監督は自信を持って選手をピッチに送り出すことができますし、選手ものびのびとプレーすることができています。

 磐田戦でJリーグデビューを飾った19歳の棚田遼も、デビュー戦とは思えないほど、堂々としたプレーを見せてくれていました。この信頼関係もまた、今のサンフレッチェを象徴するすばらしい点だと思います。

 毎試合、出場している選手もそうでない選手も、ピッチ内外で本当に頑張っています。今のようなおもしろいサッカーを続け、シーズン終盤で優勝に絡むようなことになってくれば、ファン・サポーター・観客は必ずスタジアムに戻ってきてくれるはずです。

 ここからのリーグ戦も厳しい戦いは続きますが、この良い雰囲気のまま、『4つ目の星』を目指して1戦1戦を戦っていってもらいたいと思います!