高校球児たちが白球を追いかけ、汗と涙を流す聖地・甲子園球場。現在連日、熱戦が繰り広げられている。ここでは、かつて甲子園でプレーしたカープ選手たちに“高校時代の記憶”を振り返ってもらった。

 今回は、広島県代表・広陵の一員として2008年夏の甲子園に出場した中田廉の思い出に迫る。

 

◆「人として成長させてもらえた3年間でした」

 2008年、広陵高3年時に、背番号3を背負って投手兼一塁手として活躍した中田。今でも忘れられないと話すのは2008年広島大会の決勝戦。7点差から逆転するなど、劇的な試合展開で甲子園出場を決めた。

 

 「半分諦めムードにもなりましたがそこから逆転。これぞ高校野球という試合だったと思います」

 甲子園では2試合に登板。その大会では最速となる148キロを記録するなど、投手として大器の片鱗を見せた。

 「人間的な成長を求めないと野球の技術は成長しないと中井哲之監督から何度も言われてきました。挨拶、寮生活、生活態度を含めて、人としてすごく成長させてもらえた時間でした。甲子園に行ったことも大切な思い出ですが、それ以上のことを学んだ3年間でしたね」