思わず心を奪われる!カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。今回スポットを当てたのはカープと猛暑。暑い夏でもカープを応援したくなる理由をオギリマ視点でゆる~く取り上げる!

◆酷暑の球場になぜ足を運んでしまうのか。

 暑い。

 今年私が住む東京では、最高気温が35℃以上となる猛暑日が過去最多の15度目(8月10日現在)となり、「これまでで一番暑い」という実感もあながち間違いではないようである。この猛暑の中でいつも思うのが、「屋外で野球をする選手たちは大変だなぁ」ということだ。

 真夏の屋外球場での試合は、猛暑を避けるためにナイターで行われることが多い。それでも試合開始時などはまだ暑さが残っているし、試合前の練習は炎天下に行われる。選手も観客も大変である。

 選手の感じる暑さについては一介のファンとしては知る由もないのだが、当サイトに先日掲載された木村省吾氏のコラムを読むと、試合前練習の際には汗で濡れるためバッティンググローブを3セットも用意したり、練習後に氷入りの水風呂に浸かったりするなど、相当過酷なようである。

 観客の方も、この時期の観戦にあたっては対策をしなければならない。以前は私も「球場で冷たいものでも飲み食いすればいいや」くらいに軽く考えていたが、そんなことでは追いつかないくらいの猛暑である(ついでに言えば、数年前に横浜スタジアムのナイターで大盛りのみかん氷を一人で食べて唇が紫色になる体験をしてから、私自身は球場で冷たいものを食べ過ぎないように心がけている)。帽子やアームカバーなどの他に、どのようなグッズが暑さ対策として効果的なのだろうか。

 カープ公式グッズには以前から、凍結ジェルを入れて首に巻ける「CarpスーパーネックールⅡ」や、繰り返し冷やして氷嚢として使える「勝チコチ!坊や&スラィリー」などの暑さ対策グッズが用意されていたが、今月初めに新発売されたのが「カープクーリー」である。28℃で凍る素材が中に入った輪っかで、首に装着して使用する。マツダスタジアムではこのクーリーの再冷却サービスも始まり、人気となっているようだ。私もいずれ試してみたいと思っているが、こうしたグッズが急遽発売されたのも、やはり「真夏の観戦は暑い」からということに尽きるだろう。

 試合をしている選手とは違い、ファンはわざわざ酷暑の球場に足を運ばずとも、冷房の効いた部屋でテレビ観戦をするという選択肢もある。それなのになぜわれわれは球場に足を運んでしまうのか。それはやはりナマの選手のプレーに接したいという気持ちからではないだろうか。選手の活躍を見ると、暑さも吹き飛んでしまう。選手もファンも、熱中症には十分注意しながら、夏の野球を楽しんで欲しい。

 

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オギリマサホ
1976年東京都出身。イラストレーターとして雑誌や書籍等の挿絵を手掛けるかたわら、2018年より文春オンライン「文春野球コラム」でカープ担当となり独自の視点のイラストコラムを発表。著書に『斜め下からカープ論』(文春文庫)がある。