◆タイトル争いにも絡んだ坂倉は、チームに欠かせない存在に

 次に佐々岡体制下で主軸を任された打者を振り返っていきます。若手の中でチームに欠かせない存在に成長したのが、坂倉将吾です。特に2021年には、シーズンを通して打撃面で活躍しました。このシーズンの終盤にはチームメートである鈴木誠也と首位打者争いを演じ、リーグ2位の打率をマークして欠かせない存在へと成長しました。

 2021年の坂倉は4番である鈴木の後で5番を主に任されていました。昨年の場合、鈴木へのマークが厳しかっただけに、後を打つ坂倉の存在は非常に大事になってくるものでした。そういうプレッシャーもある中で、数字を残したというのは自信につながる部分が大きかったと思います。そして2022シーズンはチームで唯一の全試合出場を果たしました。佐々岡体制においてトップクラスの成長を見せた選手の1人でした。

 そしてもう1人、佐々岡体制で存在感を見せてきたのが中堅である上本崇司です。長年一軍で結果を残すことができず、苦戦するシーズンが続きました。しかし上本が今年ブレイクして、力をつけることができたというのは、上本にとってはプロ野球選手として大きな自信につながる部分があったと思います。

 また主軸として欠かせない存在へと成長した1人となったのが西川龍馬です。今シーズンに関しては、途中で戦列を離脱してしまいましたが、抹消される8月末までは首位打者を狙えるくらいの打率を残し、好調をキープしていました。西川はチームの中で勝ちに貢献するという部分では大きな役割、ウエイトを占めている面があったと思うのですが、彼が離脱することで、打線の流れやつながりに、やや勢いがなくなってしまう時期もありました。そういう意味でも、西川の存在感の大きさを改めて感じました。