新井貴浩監督の就任会見から2週間。コーチ人事も続々と発表され、新体制への注目と期待はますます高まるばかりだ。広島アスリートマガジンでは、これまで、現役時代〜引退後にかけて新井監督の声をファンへ届ける独占インタビューを掲載してきた。

 ここでは、2019年1月号『永久保存版 新井貴浩』より、プロ3年目の新井監督が語ったインタビューを再編集して掲載する。

 前年本塁打王を獲得して迎えた2006年、名実共にチームの顔となった新井。最下位からの逆襲を目指すチームは新たなるリーダー出現を望んでいた。マーティー・ブラウンを監督に迎えたチームは変化のときを迎え、チームリーダー、不動の4番打者と、新井にかかる期待はさらに膨らんでいた。

練習中、コーチ陣の話に耳を傾ける新井貴浩(写真中央)

今は反骨心がすごく強い

─グラウンドの『色』というか『空気』というか、そのあたりが随分変わりました。

「全体的に練習時間が短くなりましたね。午後1時半、遅くても2時には全体練習が終わります。そのあと各自がウィークポイントの強化などやりたいことをできているんじゃないでしょうか。僕個人はしっかりできていると思います」

─新井選手自身は、どこに主眼を置いて個人練習に取り組んでいますか?

「打つことです。しっかり打ち込めていますし、自分で考えていることがちゃんとできているのでいいと思います。時間もありますしね。やっていることは、いつも言ってるのですが基本ですよね。下半身を使って、しっかり打つということ。あとは原点に戻って思い切り振らないといけませんね。自分で打ち込んでいる時に、流すような打ち方はやっていないですね。思い切り振る。それを毎日、続けています」

─一方、守備の方も「全試合フルイニング出場」宣言もあっただけに大事になってくると思われます。

「そうですね。守備も基本に返って下半身で捕りにいって。練習ではしっかりそういう形でやることを頭に置いていますが試合になったら『頭でっかち』にならないように、とは思っています。基本は体でガッと止めに行って気持ちを前面に出して、打球に対してグッと向かっていく姿勢を忘れないようにしたいです。足の使い方がああだこうだという技術的なことは、あくまで練習の中での感覚として大事にしたいですね」

─ブラウン監督はチームの守備力の強化を急いでいます。

「練習の中で疑問に思ったことは瞬時に解決していくのがマーティーの考え方です。だから気が付いたことは僕もすぐに言うようにしています」

─監督から守備面について特に言われていることはありますか?

「とにかく思い切ってやりなさい、とは言われました。昨年までと比べてサードは三遊間寄りに守っていますから、自然と三塁線側の打球は遠くなります。だから投げることを考えたら逆シングルで捕らないといけない。『逆シングルで思い切ってやってエラーしても俺は何も言わないから』と言ってくれています。マーティーの言葉はプラス面がすごく強調されていて、考え方もしっかり伝わってきます」