2022年ドラフト会議から約1カ月が過ぎた。カープは育成を含む10選手を指名。続々と新入団選手の仮契約が行われ、スカウトと握手をかわす選手たちの姿が報道されている。

 ここでは、過去カープが指名した選手たちの入団会見の様子を振り返っていく。

 今回振り返る2009年のドラフト会議では、花巻東高の菊池雄星(現・ブルージェイズ)に6球団が競合し注目を集めた(西武が交渉権を獲得)。DeNAは筒香嘉智(現・パイレーツ)、ソフトバンクは今宮健太と高卒野手にも人気が集まる中、巨人は前年ロッテへの入団を見送っていた長野久義を1位で指名するなど話題となったドラフトでもあった。

 この年、支配下・育成を含めて広島が獲得したのは8選手。セットアッパーとして活躍した投手から、甲子園を沸かせたあの二刀流選手まで……入団当時の彼らのコメントをお届けする。

(前列右から堂林、野村監督、今村、後列右から中村、武内、川口、庄司、伊東、永川)

◆広島に舞い降りた新星たち

 金屏風の前に並んだ8人の新入団選手は、一様に緊張した面持ちだった。それでも次々に飛んでくる質問には言葉を選び、はっきりとした口調で答えていった。同席した野村謙二郎新監督も、「非常にやる気のみなぎる発言で頼もしく思えてきました」と大きな期待を寄せる逞しい若武者たちだ。

「優勝を目指す僕らにとっては非常に縁起がいい。やってくれそうだなと感じています」

 この年、野村新監督の下、無限の可能性を秘めた8選手がプロの扉を開いた。

◆ドラフト1位/今村 猛(清峰高)

「いよいよ自分の新しい人生が始まるんだなという気持ちです。悔いが残らないように1日1日頑張っていきたいと思います。スライダーに自信があり、持ち味はバッターに対して逃げずに攻めていくところです。特に対戦したい打者はいません。全打者と勝負して一人ひとり抑えていきたい。まずは1年を通してケガをしない体を作り、早く結果を残して一軍に定着できるようにしたいです。目標は……(隣に座る松田オーナーから耳打ちされ、促されるように)200勝、したいと思います。どんな試合でも一生懸命投げるので、応援よろしくお願いします」

◆ドラフト2位/堂林翔太(中京大中京高)

「プロ野球選手になることが野球を始めた頃からの夢だったので、嬉しく思います。自分の持ち味は打撃で、右へ左へと大きな打球を打てるところです。しっかり練習をして1日でも早く一軍に上がれるように頑張って行きたいです。(シーズン)200安打を打てる打者が目標。何年も続けて記録できる選手になりたいです。小中高と四番を打ってきたので、(いずれは四番を打ちたいという)その気持ちはあります。活躍して最終的には(背番号)7番をつけられたら嬉しいです。とにかくチームに貢献できるように毎日頑張って行きたいと思いますので、応援よろしくお願いします」

◆ドラフト3位/武内久士(法政大

「やっぱりうれしいというのが一番。悔いの残らないように1球1球大切にキャッチャー目掛けて投げ込んでいきたい。セールスポイントはストレート。球の速さや重さには自信があるので、これからストレートのコントロールや球質をもっと磨いて少しでも一軍で活躍できるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」

◆ドラフト4位/庄司隼人(常葉学園橘高)

「自分がここにいられることが本当に光栄です。堂林とは東海地区で一緒だったので、プロの世界でも一緒にプレーできるのがうれしい。チーム内ではライバルですが、僕は負けず嫌いなので誰にも負けないぐらい思い切ってやりたいです。常にがむしゃら野球で、泥臭く思い切ってプレーしますので応援よろしくお願いします」

◆ドラフト5位/ 伊東昴大 (盛岡大付高)

「家族のためにプロ野球選手を目標として頑張ってきて、その夢が叶った今はすごく嬉しいです。まずはプロの世界にいち早く慣れて、カープのために1勝でも多く勝ち星を積み重ねたいという気持ちです。角度あるストレートとカープが持ち味。肩の耐久性にも自信があるので、それを生かして与えられた役割を果たしたいと思います」

◆ドラフト6位/ 川口盛外(王子製紙)

「今こうして晴れの舞台に立てることを光栄に思います。与えられたポジションが第一だと思いますが、僕は毎日投げたいので中継ぎを希望します。僕の持ち味は強気の投球、魂の投球だと思っていますので、気持ちだけは負けないようにバッターに向かっていきます。とにかく全力で死ぬ気でがんばりますので、よろしくお願いします」

◆育成ドラフト1位/ 永川光浩( 龍谷大)

「小さい頃からずっと憧れていた球団に入ることができて本当に光栄です。広島で育ってきて、ずっとファンでした。早く兄(勝浩)のような選手になれるよう、しっかり練習して頑張りたいと思います。育成枠からの入団ですが、しっかりケガをしない体を作って、一つひとつのボールのキレを増して早く支配下選手登録されたいです」

◆育成ドラフト2位/ 中村亘佑( 横浜商大高)

「小さい頃からプロ野球選手になることが夢だったのでうれしいです。持ち味は肩が強いことなので、それを活かしていきたいですし、みなさんにはそこを見て欲しい。僕には野球しかないと思っているので、そこで成功できたらいいなと思っています。早く支配下選手になれるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします」

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