2014年、ドラフト1位で指名を受け、現役当時の新井貴浩監督のカープ復帰と時を同じくして入団した野間峻祥。2015年から新井監督が引退するまでの4年間、ベンチ内外で見せた2人のやりとりは、ファンとメディアの注目を集めてきた。

 2023年は“監督と選手”という関係で始まる新たなシーズンとなる。ここでは、現在の心境を語った、野間の独占インタビューをお届けする。

2022年シーズンは野手キャプテンとしてチームを支えた野間峻祥

「当たり前のことを全力で」その姿勢を尊敬している

─来シーズンから、新井貴浩新監督のもとでプレーされることになります。率直な感想を聞かせてください。

「すごく『変な感じ』だなというのが正直な思いです(笑)。違和感というよりも、不思議な感じがありますね。就任会見で『勝ちたい』と発言されていたのが印象的で、新井監督らしいなと感じました。現役時代に一緒にプレーをしていたからこそ、そう感じる面がありました」

─監督就任を知った時の率直な思いは?

「びっくり、です。本当に何も聞いていなかったので驚きました。監督就任の噂はありましたが、まさか、という感じでした」

─監督就任が発表されてから、新井監督とはお会いになりましたか?

「いえ、会見前に少しお会いしたくらいで、まだなかなかゆっくり話はできていません」

─野間選手が入団された2015年は、新井監督が選手として阪神から復帰してきた1年目でもありました。当時の新井監督のイメージというのは、どのようなものを持たれていましたか?

「一言でいうなら、“長距離砲”です。僕は当時ルーキーでしたし、新井監督はレジェンドですから、最初は『怖いのかな……』というイメージを持っていました。ですが、挨拶をしてみるとフレンドリーな方だったので、意外と溶け込みやすかったです。ちなみに当時は一軍の大州寮でも新井監督と隣の部屋だったのも思い出ですね」

─4年間、一緒にプレーをされたわけですが、現役時代の新井監督はどのようなプレーヤーだと思っていましたか?

「あれだけ実績を残していて、ホームラン王もとってきた球界を代表する選手が、人一倍、ワンプレーに対しての執着というか、集中力、がむしゃらさを見せるというのは、なかなか難しいことではないかと思います。がむしゃらさがこちらにも伝わってくるというか、凡打でも一塁まで走る姿でもそうですし、当たり前のことを全力でやる、という姿勢がすごいなと思って見ていました」

─野間選手は、現役時代の新井監督からどのような影響を受けていましたか?

「やはり、新井監督があれだけやっているのに僕たちがやらないわけにはいかないというか……新井監督に引っ張ってもらっていた、そういう部分はありました。普段の姿勢から学ぶところがとても多かったです」

─新井監督のプレーで印象に残っているシーンはありますか?

「2017年7月7日の、神宮でのヤクルト戦です。僕は代走で一塁上にいたのですが、自分が本塁に還れば同点か、逆転だなと思いながらプレーしていました。あそこで出てきて新井監督がホームランを打たれて、本当に強烈なシーンでしたよね。まさに『役者が違うな』と思いました」

─現役時代の新井監督から受けたアドバイスで、忘れられないものはありますか?

「いろいろとありますが、よくいじってもらったな、という印象がすごく強くて(笑)。初めて規定打席に乗った2018年も、新井監督ならではの発破の掛け方をしてもらっていたなという印象があります。打率が3割を切ったらいじるのをやめる、とか……(笑)。新井監督なりのアプローチでした。少し迷いや悩みがある時には『まあ変えなくていいんじゃない』、調子の良い時には『良い入りになってきたね』と、要所で声をかけていただいていました。こちらから質問させていただく際にも快く答えてもらっていました」

─我々メディアやファンとしても、面白い関係性だと感じる面がありました。

「グローブ袋やいろいろなところに『サインをください』と言われて書かせていただいたこともあります(笑)。僕の〝サヨナラTシャツ〟に『「新井くんへ」と入れてサインをしてほしい』と言われたこともあるんですが、そのTシャツを、わざわざ神宮での試合の時に新井さんが着てきたこともあるんです(笑)。球場にお客さんが入った状態で、『新井くんへ』とサインしたTシャツを着て、僕がサインをしたグローブ袋を持って入ってきたので、見ているファンの人も気づいていたと思うんです……(苦笑)。新井監督との思い出はいろいろありますが、そうやって、周りの選手がやりやすい環境をつくってくださっていたのだと思います」

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