今シーズンここまで救援として防御率0.00をマークし、カープブルペン陣で存在感を高めているプロ3年目の髙太一。

 昨季は先発として一軍のマウンドを経験し、今季はリリーフとしてより難しい場面を託されるなど、新たな役割の中で成長を見せている。今回は、そんな髙がプロ入り当初から壁にぶつかりながらも前進してきた歩みを、過去のコメントとともに振り返る。

中継ぎとして好投が続く髙太一

 2024年シーズン最終戦。同期入団のドラフト3位・滝田一希のあとを受けてリリーフ登板した髙は、2回を投げて無失点の好投を見せた。

 一軍昇格を目指して鍛錬を積んでいた同年7月には、二軍で大きな壁にも直面していた。ウエスタン・リーグ阪神戦(●1-13、丸亀)では10失点(自責9)。ただ、その屈辱的な経験が、髙の意識を変える転機にもなった。

「あの試合をきっかけに、これまで感覚が変わるのが怖くて変化させることができなかったことを、もう一歩、大きく踏み出してどんどん試せるようになりました」

 失敗を次につなげる姿勢が、髙の成長を支えてきた。

「あの試合があったから、つかめたものもある。逆にあの試合がなければ、つかめなかったものもあったと思います。もちろん、試合は負けてしまったので『良かった』とは言えませんが、少なくとも自分自身は、『あの経験があって良かった』と思えるようにしていかなければならないと思います」

 その後も二軍で登板を重ね、先発として結果を残しながら、一軍昇格へ向けて課題と向き合い続けた。

 二軍での時間は、技術面だけでなく精神面でも大きな糧となった。2025年夏、大野練習場で取材した際には、当時・三軍コーチ兼アナリストだった野村祐輔氏の存在について、こう語っていた。

「祐輔さんにマンツーマンで指導してもらって、ようやくつかみかけてきた感覚があります」

 広陵高の大先輩でもある野村氏からの助言は、髙にとって大きな支えだった。

「祐輔さんの指導を身近で受けることができるのは本当に幸せなことだと思っています。カープの投手の特権ですよね。まだまだ、祐輔さんには『できていないところが多いぞ』と言われているので、少しずつでもできるようになっていきたいです」

 失敗や試行錯誤を糧に、一歩ずつ積み上げてきた髙太一。先発、リリーフと役割を変えながら経験を重ねた左腕は、今季ブルペンの一角として存在感を示している。過去に口にした悔しさや手応えは、確かに今のマウンドにつながっている。

 

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