開幕戦で見事完投勝利を挙げた、令和カープのエース・大瀬良大地。カープの長きにわたる歴史の中では、いつの時代も各球団のライバルたちと息詰まる投手戦を演じ、数多くの勝利をもたらしてきたエースたちが存在していた。

 ここではカープが初優勝を果たした1975年以降にカープ投手陣の大黒柱として活躍してきた日本人エースの軌跡を辿っていく。

2020年開幕戦で見事完投勝利を挙げた大瀬良大地。今季もエースとしての活躍が期待される

◆広島のミスターパーフェクト・外木場義郎

通算成績:445試合 131勝138敗3S 防御率2.88

 プロ初勝利がノーヒットノーランという異次元の大投手。初優勝以前、万年Bクラスに甘んじていた時代に計3度のノーヒットノーラン(内ひとつは完全試合)を記録し、孤軍奮闘した。史上初のAクラス入りを果たした1968年から初優勝を果たした1975年にかけては、8度にわたり二桁勝利を達成している。

◆独特フォームで真っ向勝負・池谷公二郎

通算成績:325試合 103勝84敗10S 防御率4.13

 プロ1年目から一軍に定着し、古葉監督が就任した2年目は先発の柱として18勝を挙げて、大車輪の活躍を見せた。チームがリーグ初優勝を果たした1975年から4年連続で200投球回超えとフル稼働し、3度のリーグ優勝、2度の日本一に大きく貢献している。北別府学、山根和夫らと共に、カープの第一次黄金期を築き上げた。

◆七色の変化球を駆使・大野豊

通算成績・707試合 148勝100敗138S 防御率2.90

 現役22年間は先発、中継ぎ、抑えとフル回転し100勝100セーブを達成。1980年代は先発として北別府、川口らと共にカープ投手王国を支え続けた。1997年には41歳で最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、引退間際までエースの仕事を全う。特徴的な投球フォームは今もカープファンの心に残っている。

◆“荒れ球”の奪三振王・川口和久

通算成績:435試合 139勝135敗4S 防御率3.38

 キレのある直球を武器に、昭和後期から平成初期にかけて活躍した左腕。制球力にやや難があったとはいえ、それが適度な荒れ球となり打者を幻惑。通算2092個(歴代17位)という数字が示すように、長年にわたり三振の山を築いていった。完投能力も高く、大野と共に左腕のエースとして投手王国を形成。1986年から6年連続二桁勝利を記録し、2度の優勝に貢献。