3連覇を知る一人、會澤 翼選手が語るあの時のカープ、これからのカープ。そして捕手最年長となって、これから若手選手に伝えなければいけないこと。たくさんの思いを抱きながら、溢れる声援が戻ったスタジアムで、今シーズンも負けられない戦いに挑む。

2009年のプロ初出場から、マスクを被り続ける會澤。一軍は絶対に勝たければならない場所だと言う。

新体制になり、新しい引き出しが増えた。

─まず新井貴浩監督の新体制となりましたが、新井選手時代と関係性は変わりましたか?

「そんなに変化はないですが、監督ですから一線は引かなくてはいけないなという思いはあります。でも監督から話しかけてくれることも多いですから。今まで通りといったらおかしいですが、キャンプの時から野球の話もたくさんしてもらっていますし、そこまで関係性が変わったことはないと感じています。ただ一線は引いていますね。新井監督らしい雰囲気、チームづくりをしていただけているなという感じはしています。自然体で、違和感なくチームに入ってこられた感じもします。特に僕は選手としても一緒にやらせていただいたので、自然に受け入れられました」

─會澤選手の春季キャンプは、どういうテーマで取り組まれましたか?

 「技術面もですが、キャンプを通して体力面をメインに取り組んでいました。体調が原因で、少し出遅れたので、まずは体力づくりから始まりました、毎年変わらずのことをまずはやって、そこから技術面を上げていくイメージです。キャッチャーですから、石原さん(慶幸・バッテリーコーチ)にいろいろ教わることができました」

─石原コーチになられたというのは、また新しい変化ですね。

 「そうですね。たくさん教えていただきましたし、分からないことがあったら藤井(彰人)ヘッドコーチにも教えていただいています。これまで教えてくださった監督、コーチもそうですけど、新しい監督、捕手出身の2人のコーチというのは、環境的にすごく刺激になりますし、僕の新しい引き出しが、より増えたと感じています」

─捕手最年長の會澤選手の立場として、ご自身の役割、意識は何か変わりましたか?

 「そこはあまり変わらないかなと思います。2021年、2022年と年齢も上の方だったので、若い選手が困っていたら、助けてあげるといった、やるべきことは変わらないと感じています。キャッチャーは自分の力で解決していかないと難しい面があるポジションなので、出口が見つからずに困っている時に、声掛けはしていますね」

會澤 翼(あいざわ・つばさ)

1988年4月13日生、茨城県出身、35歳。水戸短大付高(2006年高校生ドラフト3巡目)。強打の捕手として2014年頃から正捕手として多くの試合でマスクを被った。2016年から始まるリーグ3連覇ではチームの原動力となり、投手陣を牽引するだけでなく強力打線の一角として存在感を示す。2017〜2019年は3年連続でベストナインに選出された。

広島アスリートマガジン5月号は、「まだ見たい!もっと見たい!」勝利を知る経験者たちの魅力をお届け! カープ3連覇を支えた投打の主力たちの現在地に迫ります。