『あの夏を取り戻せ~全国元高校球児野球大会2020-2023~』公式記者会見が、5月18日に武蔵野大学有明キャンパスで行われた。

この日登壇した『あの夏を取り戻せ~全国元高校球児野球大会2020-2023~』メンバーと古田敦也氏

 この大会は高校球児として白球を追いかけていながらも、2020年にコロナ禍のために夏の甲子園大会が中止となり、憧れの地に立つことができなかった現在の大学3年生を対象としている。

 本プロジェクトの代表を務める大武優斗さん(武蔵野大学4年生)も、夢を叶えることができなかった1人。大学進学後「自分がやらなくてはいけないことは何か」と考えた時に、真っ先に頭に浮かんだのは「あの夏を取り戻したい」という思いだった。

 大武さんは参加者を集めるためSNSで呼びかけ、各地に散らばる当時の高校球児の仲間たちに会いに行った。「当時は本当にお金がなくて。パン一斤で空腹をしのいでいたら、そのパンを大事にしすぎて他の荷物全部忘れちゃったり。でも、周りの方に助けていただけましたし、自分にとっては楽しい日々でした」と、エピソードを語ってくれた。

 会見中当日はスペシャルゲストとして元ヤクルトの古田敦也氏が登場。「本当にここまでこられたね。おめでとう」と大武さんと握手を交わした。「私は取材者として高校野球に携わっています。コロナ禍で甲子園が中止になったのは、正直仕方がないとは思っていました。それでも今回、こういう若者がいると知った時に、本当にできるの? という思いと、若者の力強さに期待したいという思いがありました」と話した。

 本プロジェクトでは、クラウドファンデイングで大会運営費を捻出することを公表。目標は7000万円という巨額だが「自分たちはたくさんの方にご支援いただいて、野球に集中できる環境をつくっていただいていた。であれば、この大会もたくさんの方々のお力を借りて開催するという、当時と近い環境をつくりたいと考えています」と明かしてくれた。

 『あの夏を取り戻せ~全国元高校球児野球大会2020-2023~』は、阪神甲子園球場で11月29日〜12月1日に開催が予定されている。

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