日本国内5チーム、韓国1チームで行われるアイスホッケーリーグである『アジアリーグアイスホッケー』は、現在2023-24シーズンの真っ最中だ。このリーグに加盟するH.C.栃木日光アイスバックスは、1999年に日本初のプロアイスホッケーチームとして誕生したチーム。昨季はリーグ3位という結果に終わり、今季にかける思いは強い。

 ここでは、アイスバックスに所属する選手のインタビューを短期連載でお届けする。第2回目は、昨季得点王を獲得した、鈴木健斗選手に話を聞いた。

昨季得点王を獲得した、H.C.栃木日光アイスバックスのFW鈴木健斗選手

◆大事なのは、ワンプレーへのこだわり

―昨季を振り返ってどのようなシーズンでしたか?

個人として得点王という結果につながったことは、良かったとは思います。チャンスをチームメートにもらって、うまく積み重ねることができたシーズンだったので、みんなに取らせてもらったタイトルだと思っています。

―チームとしてはいかがでしたか?

シーズンの最初は連勝している時期もあり、シーズンの入りとしては悪くなかったと思います。ただ、途中から崩れてしまい、何をしても勝てない時期もあり課題はあったと感じています。ですが、シーズンを通して波がある中でも、プレーオフに進み、戦えるところまで持っていけたという点では、結果こそついてきませんでしたが1つ自信をつけられたシーズンではあったと思います。

―その自信をつけた上での今シーズンはいかがですか?

ここまでの試合を迎えている中では、昨年ほど波はないと感じています。ただ、もっとやれるチームだと思うのでそこに勿体なさ不甲斐なさを感じています。「あと1つのピースで勝ち切れるのに」というところが多々あるので、ここから修正していきたいです。

―ご自身としては数試合欠場という期間がありました。

その期間は試合に出ず、みんなのプレーを客席から見ていました。客観的にみんなの試合を見ていて「どこを修正させるべきなのか」というところを俯瞰で見れたのは、僕にとって良い経験だったと思います。今後はアシスタントキャプテンとして、そういう導きをしていきたいと思っています。

―他の選手に伝えるという点では移籍直後は意識していたことなどはありましたか?

最初は遠慮もあったのであまり口出ししない時期がありました。でも、アイスバックスに来たからには勝ちたいですし「アイスバックスで優勝したい」と思い、自分の持っている勝つチームのメンタリティだったりを他の人に伝えるようにしました。

―鈴木選手の考える『勝てるチーム』というのは?

システムや作戦も大事なのですが、それ以前のワンプレーへのこだわりというところです。リンク上にパックは1つしかないですから、どこまで泥臭く全力で執着心を持って向き合えるか、集中力を持てるのか、そういう競技だとチームメートに発信することは意識していました。

―そのような状況からスタートし、現在のチーム状況はどう映っていますか?

勝てるチームになってきたと思います。選手もいろんなカラーのある選手がいて、今年は移籍で来ている磯谷(奏太)なんかは泥臭いというか、キープ力とフィジカル両方を兼ね備えている良い選手です。ゴールに向かい遠回りをせずに最短ルートで狙う嗅覚を備えているので、チームに欠かせない選手だと思います。

 

―今季もタイトル獲得に向け、“得点”にはこだわりはありますか?

全くないというわけではないですが、絶対に自分が決めてやるとは思っていません。その都度、勝つための最善の選択をした上で決めるべき時に決められればと思います。それよりも今年はチームが勝つことを重視して試合に臨んでいます。

―最後にファンのみなさまへメッセージをお願いします。

毎年「今年の目標は優勝すること」と言ってきました。今年はこれまででも優勝したいという気持ちが強いです。その結果に届くよう、上を目指してチーム一丸となって挑みます。みなさんもぜひ、リンクに足を運んでいただいた際には大きな声で檄を飛ばしていただけると、選手の力になりますのでご声援よろしくお願いします!

プロフィール
鈴木健斗(すずき けんと)FW
1994年12月9日生まれ 北海道出身/175cm/78kg
経歴:北海高校ー中央大ー日本製紙クレインズーH.C.栃木日光アイスバックス