現在、J1リーグ暫定首位に立つサンフレッチェ広島。塩谷司、荒木隼人、佐々木翔が並ぶ3バックはリーグ屈指の守備力を誇る。中でも広島在籍10シーズン目の35歳、3度のJ1制覇に貢献してきた塩谷の存在感は際立っている。今季第2節のFC東京戦ではJ1通算200試合出場を達成。第3節の鳥栖戦では今季初得点を豪快なミドルを決めてホーム2連勝に大きく貢献した。

2021年、広島に復帰した当時の塩谷司

 ここでは長年広島の守備陣を支え続ける塩谷が、過去に語った海外経験を改めて振り返る。今回は2021年に4年ぶりにアル・アインFCから広島に復帰した際の独占インタビューをお送りする(全3回・2回目/「広島アスリートマガジン」2022年1月号掲載記事を再編集)

◆もう少し体を大きくしようと思った

―広島復帰以降は、サイドバックやボランチなど、さまざまなポジションでプレーされています。

「2022年シーズンからは監督が変わりますし、フォーメーションがどうなるのかも今の時点では全く分かりません。なので、監督が決めたことに対して、自分ができることをやるだけだと思っています。いろんなポジションをできることが良いことなのか悪いことなのかは分かりませんが、それがチームの助けになるのであれば、プラスに捉えてプレーしていこうと思います」

――広島のDFは、鉄板と言われる3人(野上結貴・荒木隼人・佐々木翔)でほぼ固定されてきました。塩谷選手が復帰したことでDFのポジション争いが激しくなったように感じます。

「ボランチでの出場が多かったですし、DFの3人はやはり鉄板なので、僕自身にそういった思いはありませんでした。ただ、いつでもそこのポジションにくい込んでいけるように、3人が脅威を感じる存在にならないといけないと思っています」

―海外を経験し、体が一回り大きくなられたように感じます。UAEで肩を怪我された時に鍛えたと聞きました。

「フィジカルコンタクトの中で怪我をしたので、もう少し体を大きくしようと思ったんです。外国人選手は体の強い人が多いので、そこに対応できるようにしました」

―所属されていたアル・アインFC(UAE)は、毎年タイトルを取るのが当たり前のようなチームだったそうですね。その中でプレーすることによって、意識や考え方の変化などはありましたか?

 「緊張するタイプではないのですが、勝たないといけない、数字を残さないといけないというプレッシャーは大きかったです。なかでもアシストや無失点の数など、数字に対するこだわりは強くなりました」(続く)

《プロフィール》
塩谷 司(しおたに つかさ)
1988年12月5日生 徳島県出身/DF

■ クラブキャリア
2011〜2012 水戸ホーリーホック
2012-2017 サンフレッチェ広島
2017-2021 アル・アインFC
2021-    サンフレッチェ広島