多くのプロ野球選手を輩出した広陵高から、新たに一人のカープ選手が誕生した。広陵高時代は同学年の河野佳(2022年・カープドラフト5位)と共に切磋琢磨してきた。一足先にプロ入りを果たしたチームメートの姿に刺激を受けながら、高太一はドラフト2位という高評価をつかみ取った。

 キャンプ、オープン戦を経て、高が感じたプロの世界の難しさ。『カープファンに、長く愛される選手』を目指す左腕の決意をお届けする。(取材は3月10日)

オープン戦(3月8日・中日)に、2番手として登板した高太一。

◆「自分が持っている以上のもの」を出そうとしてしまった。

ー初登板となったオープン戦(中日)に限らず、現時点ではなかなかご自身の力を出し切れていないことが課題、ということでしたが、それはどういった部分が原因と捉えているのでしょうか。

「最初は緊張感だったのですが、ずっと一軍に帯同させてもらっているなかで、欲が出てしまったところもあったのだと思います」

ー『欲が出た』というのは、具体的には?

「若手が一軍に帯同するのは、勉強のためや一軍の雰囲気に慣らすためという意味合いが強いのだと思いますが、自分のなかで、『狙ってやろう』という思いが出てしまったのだと思います。自分の持っている力以上のものを出そうとして、逆に力を出すことができなくなってしまったところは反省点です。やはり周りの先輩方を見ていると、絶対に自分以上のものを出そうとしていないというか、悪い時でも、自分のできることを出し切っているという印象があります。僕自身も、そうなれるように少しずつ調整をしていっている段階ですね」

ーでは、今はそこを修正している最中ということでしょうか。

「そうですね。ただ、これはすぐに実践できることだとも思っているので、次の登板から意識をして、自分の100パーセントの力を出せるようにしっかり取り組んでいきたいと思います」

高太一(たか・たいち)
2001年7月26日生、愛媛県出身
左投左打/投手
広陵高ー大阪商業大ー広島(2023年ドラフト2位)