今日から始まるBリーグチャンピオンシップ決勝。広島は初優勝をかけ、横浜アリーナで琉球ゴールデンキングスと対戦する。昨季からゲームキャプテンとしてコート内外でチームをけん引する寺嶋良が、シーズン開幕直後に語っていた『勝負の年』にかける思いをお届けする。(収録は2023年9月、全3回/2回目)

3月の試合で負傷し離脱を余儀なくされた寺嶋。コートの外からもチームを支えている。

◆「辻さんの存在は大きかった」

—2026年から発足する、より魅力的でエンターテインメント性溢れるBリーグプレミア参入について、浦伸嘉社長は『2023-24シーズンは勝負の年になる』とおっしゃっています。そのことについて、チームにどう落とし込まれ、どのように浸透しているのでしょうか?

 「勝負の年だというのは、選手たちも十分に自覚しています。僕たちがしなければいけないのは、まず勝ち続けること。より良い成績を納めることで、観にきている方にも喜んでいただけると思いますし、話題に上る回数も増えるはずです。もちろん、勝負だけでなく応援してくれる方たちとのイベントをたくさん開催したり、もっと多くの方に試合会場へ足を運んでいただけるよう魅力的な試合をしたりと、やるべきことはたくさんあります。ですが、まずは勝ちにこだわって。勝つことによって、応援してくれる人も増えると思いますので、しっかりと結果を残していきたいなと思っています」

—やはり、勝つ姿を見てもらうことが一番ですね。

 「そうです、勝つ。勝つことですね。あとは、スポーツマンとしてのしっかりしたプレーや、少しでも見ている方の心を動かせるような バスケットボールをしたいなと思っています。やはり、選手としてもBリーグプレミアに初年度から参入することが大前提です。きっと、下部リーグとの差は大きなものとなるでしょうし、クラブの歴史を考えても発足時から参入する方が、絶対に良いはずですからね」

—では次に、選手個人としての意見をお伺いします。広島ドラゴンフライズへ来られて今年で3シーズン目。昨シーズンからはゲームキャプテンも務められています。昨シーズンと今年を比べて、意識的に変えている点はありますか?

 「昨シーズンは、苦しい時間帯に辻さんに頼っていた部分が結構ありました。辻さんに任せておけばきっと大丈夫だろうみたいな。『辻さんお願いします!』くらいの感覚があったのですが、今年はそうはいきません。今年は、自分が道を切り開くじゃないですけど、本気でチームを引っ張っていかなければいけない立場です。僕自身、もっと成長が必要ですし、みんながもっと頼ってくれるような存在にならないといけないと自覚しています」

—精神的な面でも、辻選手の存在は大きかったですか?

 「大きかったですね。とても明るい人なので、あの明るさに救われた部分がたくさんありました。プレーでも、オフェンス面では特に爆発力がすごい選手ですので、相手チームにとっても脅威だったと思います。辻さんを止めようと、相手がマークすると、その分、他の選手のマークがズレたり、負担が減るので、そこから攻撃を仕掛けるといったプレーがたくさん生まれていました」