将来のクリーンアップ候補として期待される、カープの高卒2年目・内田湘大。2024年は二軍で最多となる106試合に出場し、誰よりも多く打席に立った。シーズン最終戦では一軍初出場・初安打を記録するなど、大きな可能性も感じさせた。3年目の飛躍を目指す背番号63に今後の意気込みを聞いた。(全2回/第1回)
◆未来の大砲の一軍初出場は、“楽しんでできた”
─昨季、プロ2年目のシーズンを終えました。改めて振り返ると、どんなシーズンでしたか?
「1年目よりかは自分のやりたいことができたシーズンだったのかなと思います」
─2024年は二軍でチーム最多の106試合に出場し、打席数もチーム最多でした。2023年も87試合に出場はされていましたが、体力的にいかがでしたか?
「体力的にきつかったですし、楽ではなかったですけど106試合に出させてもらったのは本当に光栄なことですし、すごい経験をさせてもらったので、そういう意味でも良いシーズンだったと思います」
─1年目は二軍公式戦でホームランはありませんでしたが、2024年は4本のアーチを記録しました。また安打数は79と飛躍的に伸びています。この数字について、どのように感じていますか?
「特に打撃面ですが、前半戦が全然良くなくて、後半戦で少しずつ伸びてきた印象です。後半は自分の中で『こうすれば良い』だとか、そういう感覚がつかめた部分がありました。数字自体には納得していないのですが、良いものは見つけられたのかなと思っています」
─打撃面でどのような感覚をつかんだのでしょうか?
「2ストライクから、ノーステップ打法を試したことです。自分の中でも感覚が良かったですし、月間で見ても数字が大きく変わったと思っています。なんとか球にバットを当てて、カウントを整えて塁に出るとか、打席の中でそういう意識にしてからは、1ストライク、2ストライク目の余裕も出ました。そういう面で良かったなと思います」
─昨シーズンは初の一軍も経験されました。一軍昇格の話を聞いた時の気持ちはいかがでしたか?
「いや、もうびっくりしました。まさか一軍に上がるとは思っていなかったので(苦笑)」
─一軍初スタメン(10月5日・マツダ スタジアム)のメンバーを見ると、フレッシュな選手が並ぶラインナップでした。
「その試合はちょうど(野村)祐輔さんの引退試合だったので、すごく思い出に残る初出場だったなと思っています」
─マツダ スタジアムの観客の前でプレーした気持ちはどうでしたか?
「初めての体験でしたし、試合が始まる前までは緊張していたんですけど、いざ試合が始まったらそこまで緊張することはなく、逆に楽しんでプレーできました」
─一軍の試合に出場するにあたって、監督や、コーチから何かアドバイスはありましたか?
「力まなくても力んでしまうから、力まないように楽しんでこいと言われました」
─そして、プロ初ヒットも生まれました。
「初打席で初ヒットが出たのは良かったですし、それもノーステップからの1本だったので、二軍でやってきたことがそのまま一軍でしっかり出せて、うれしかったです」
─やはり、ホームランを狙っていましたか?
「そうですね。最後の試合ですし、ホームランしか狙っていませんでした。1ストライク、2ストライクで狙える場面では狙っていましたね」
(後編へ続く)