今年2月、『スポーツアクティベーションひろしま』新代表に就任した秦 アンディ 英之氏。かつてアメフトの選手としてプレーし、世界最大のスポーツ調査会社、Jリーグ特任理事、BリーグクラブのGM等、様々な角度からスポーツに携わってきた人物だ。広島で新たな活動に挑戦する秦代表に「広島×スポーツ」の可能性を聞いた。
◆環境や文化のギャップを埋める、スポーツの力に救われた幼少期
私は小学校を卒業するまで、アメリカ・フィラデルフィアで育ちました。アメリカは季節ごとにスポーツが変わるという一面もあり、1年を通して様々なスポーツに触れる機会が多い環境で育ちました。常に身の回りにスポーツがあり、かつ、地域に根ざした地元のスポーツへの関心度は幼い頃から高かったように記憶しています。
中学に入学するタイミングで日本に帰ったのですが、そこで壁になったのが、日本と海外との教育方針の違いでした。
例えば、アメリカでは自己主張をすることが普通であっても、日本ではそうではない。そうした環境の違いもあって、中学校では周りに溶け込むのが難しい時期がありました。その時に、私と周囲との架け橋になってくれたのが、スポーツでした。スポーツに救われた、と言っても良いかもしれません。同じフィールドで一緒にプレーし、自分のプレーが結果につながると「やるじゃん!」と、周りも認めてくれるようになりました。
様々な環境や文化のギャップがあったとしても、そこを埋めて、永遠の仲間になれる。それは私が体験してきたスポーツの素晴らしさの一つだと感じています。
また私はかつてアメリカンフットボールの選手としてプレーしていましたが、「スポーツの現場で頑張っている選手の姿を、より多くの人に伝える側に立ちたい」という思いも抱くようになりました。
私が選手を引退するタイミングは、ちょうど日本のスポーツ界が大きく変わろうとしているタイミングでもあり、同じ課題を感じている仲間たちに出会ったこともあって、スポーツビジネス側に行く必要があると感じるようになったのです。その後、スポーツに関わる企業側の立場、リーグを運営する立場、現場に近い立場と、様々な経験を積み、今回スポーツアクティベーションひろしま(以下、SAH)代表就任の話をいただきました。
私自身の経験値を総合的に活かせる場だと感じたこと、私自身が課題として捉えていた『地方創生』に関わることのできる活動だと感じ、代表就任をお引き受けすることにしました。