右の長距離砲として期待が集まるカープのドラフト4位ルーキー・渡邉悠斗。同期と切磋琢磨しながら一軍昇格を目指す若武者が、プロの世界で思い描く目標について語る。(全2回/第2回 ※取材は3月)
◆『凡事徹底』。日々の積み重ねで、目指すは一軍定着・初ホームラン
ー対外試合で相手投手と対戦した感想を聞かせてください。
「やっぱりまっすぐの球が強かったですね。でもその球を打ち返せるようにならないといけないという思いで、キャンプの最初から取り組んでいました。最初はファールになることが多かったのですが、最近は初球を捉えられるようになってきました。試合に慣れてきたというのもあると思いますし、良い感覚でできたと思います」
ーキャンプ中、首脳陣などからはバッティング面でどのようなアドバイスを受けていましたか?
「自分は、アッパースイング気味に振っていて、上半身の使い方も下手くそだったので、そういう部分を指導していただきました。自分的にはどんどん良くなってきていると思います。スイングの軌道と、体の使い方は自分の中でもだいぶ変わったと思いますし、打球も変わったと思います。回転がきちんとかかって、打球が伸びるようになった感覚です」
ー守備面はいかがですか?
「大学の時は、ファーストで、結構自信を持ってやっていました。今はいろいろと考えすぎてしまう部分もあって、大学の時みたいに、伸び伸びプレーできていない感覚もあります。エラーをすることも多いので、そこは早く感覚を取り戻して、自信をつけていきたいです」
ー『凡事徹底』という言葉が好きと以前のインタビューでコメントしていましたが、プロに入ってからも意識していますか?
「『当たり前のことを当たり前にやる』という意味ですが、どんなに疲れていたとしても、それはできることなので、常にそういう気持ちは心に留めて練習しています」
ー同期入団選手の存在も大きいかと思いますが、同じ大学から入団している佐藤柳之介投手はどんな存在ですか?
「とても大きい存在です。柳之介が投げていたら不安なく自分も安心して守備に就くことができます。そのくらい信頼してるというか、自分にとって大きな存在ですね」
ーキャンプ中は話をしたりなどはあったのでしょうか?
「話もしましたし、ホテルに戻って、自由時間に一緒にゲームをして息抜きをしたりしていました。野手としては、同期の(佐々木)泰がいなかったので、だいぶ不安で寂しかったのですが、同級生の二俣(翔一)がいてくれて、一緒にいることが多くなりました。同級生がいてくれて助かりましたし、二俣も同級生がいなかったので、喜んでくれていました。心が休まる瞬間でした」
ー佐々木選手は3月1日に一軍に昇格しましたね。
「めちゃめちゃうれしくて“やっと一緒にできる”と思いました。佐々木から『明日から合流するから』とLINEがきて、ずっと楽しみでした」
ープロ入り前は『良いライバル関係としてできたら良い』とコメントしていましたが、心境の変化などはありますか?
「気持ちは一緒でお互いに良い存在だと思っています。変に意識しすぎず、もちろん右打者としてはライバルなので、そこは2人で切磋琢磨して、これからもやっていきたいと思います」
ー3月2日のオープン戦(楽天戦・岡山)で佐々木選手は2安打を放ちました。どんな気持ちでしたか?
「さすがだなと思いました。大学の時から知っていたので、同年代の選手が活躍しているのはうれしいです。悔しいというより、僕も頑張らないとという気持ちです」
ー今シーズンの目標を聞かせてください。
「『一軍で、1本ホームランを打ちたい』と言っていたのですが、“1本じゃ足りないよな”と……。レギュラーで数多く出られるように頑張るというのと、ずっと一軍に残れるように必死でアピールしていきたいです。チャンスは少ないと思うので、与えられた場面でどう結果を残すかというのが大事になってくると思います。最初は、あまり“開幕一軍”というところまで考えられていなかったのですが、キャンプを行うにつれて、そうなりたいという思いが強くなりました」
ー学生時代とは異なり、野球漬けの毎日だと思いますが、どうですか?
「僕は野球が好きでやっていますし、勉強は苦手なので(笑)。野球に時間を費やせることは、もちろん辛いこと、大変なこともいままでより多くなるとは思うのですが、楽しんで野球人生を送りたいです」
ーカープファンのみなさんの応援はどのように感じていますか?
「マツダ スタジアムで試合ができることが楽しみです。広島の方はすごく熱狂的だと聞いていますし、岡山のオープン戦にもものすごいお客さんがいらっしゃっていてびっくりしました。マツダ スタジアムになるともっとたくさんのお客さんが入るのだと思うので、満員のスタジアムで、ホームランを打ちたいです」
■渡邉悠斗(わたなべ・ゆうと)
2002年7月7日生まれ・東京都出身
右投右打/内野手
堀越高ー富士大ー広島(2024年ドラフト4位)