エディオンピースウイング広島で行われた2024-25 SOMPO WEリーグ第20節・サンフレッチェ広島レジーナ(S広島R) vs ノジマステラ神奈川相模原(N相模原)戦で、今季限りで現役引退を発表した近賀ゆかりはスタメン出場。11,000人を超えるファン・サポーターが見守るなか、試合後にはピッチ上で引退セレモニーも行われた。

スタジアム内のモニターには、近賀への感謝のメッセージが掲示された

 試合は開始直後にN相模原が大竹麻友のゴールで先制。1点を追いかけるS広島Rは後半、途中交代で出場したDF・嶋田華のミドルシュートで同点に追いついた。近賀のホームラストマッチを勝利で飾りたいS広島Rは試合終盤までN相模原ゴールに圧力をかけ続けるが、試合は1-1のドロー。試合終了後には、S広島Rのホーム最終戦セレモニーと、近賀の引退セレモニーが行われた。

 ホーム最終戦セレモニーでスピーチを行なった吉田恵監督は、スタジアムに足を運んだファン・サポーターに向け、「勝てませんでした。すみません」と悔しさを浮かべながらも、「今日のホーム最終戦、選手たちは試合終了のホイッスルが鳴るまで戦い抜く、たくましい姿を見せてくれました。本当に素晴らしい選手たちだと思います。残りの試合も勝点3を取りに行けるよう、最後に笑って終われるように準備したい」と、残すところアウェイでの2試合となったリーグ戦に向けて決意を語った。

 近賀の引退セレモニーでは、新潟Lの川澄奈穂美、元日本代表の宮間あや、丸山桂里奈、元女子レスリング日本代表の吉田沙保里らからビデオメッセージが贈られたほか、レジーナ選手たちからは、WEリーグに参画する全クラブ、サンフレッチェ広島トップチーム、元チームメートらが参加した動画が贈られるサプライズも。また、花束贈呈ではサプライズで佐々木則夫 元女子日本代表監督、元サッカー女子日本代表・澤穂希さんらが登場。ともに2011年の女子W杯を戦い、優勝を経験した盟友たちの登場に、近賀が涙を見せる場面もあった。

 近賀は日テレ・ベレーザ(現:日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、INAC神戸レオネッサなどでプレー。2011年のFIFA女子W杯では全試合フル出場を果たし、日本の金メダル獲得に貢献した。2014年からはアーセナル・レディースFCに移籍し、オーストラリア、中国のクラブでもプレーするなど国内外でキャリアを重ね、2021年のWEリーグ元年、リーグ立ち上げとともに創設したサンフレッチェ広島レジーナに加入した。広島Rでの通算成績は58試合3得点。