◆〈プロ9年目で覚醒! 復活待たれる150キロ左腕〉中村恭平 2010年
<同年ドラフト/1位・福井優也、3位・岩見優輝、4位・金丸将也、5位・磯村嘉孝、6位・中﨑翔太、7位・弦本悠希、育成1位・山野恭介、育成2位・池ノ内亮介>

 富士大時代に速球を武器とする本格派左腕としてスカウトの注目を集め、2010年にカープが2位指名。同年限りで引退した高橋建の背番号22を受け継ぐなど、入団当初から大きな機会をかけられた。しかしながら、その後は期待値ほどの成績を残すことができず、自他共に不本意なシーズンを過ごすこととなった。
 それでも昨季はプロ9年目にして自己最速の155キロを計測するなど、カープ待望の生え抜き左腕リリーフとして活躍。制球も安定し、キャリアハイの43試合登板と結果を残してみせた。今季は春季キャンプ終盤に右腹直筋を損傷し離脱。一軍リリーフ陣が手薄な状況なだけに、快速球左腕の早期復活に期待が高まる。

◆〈同期の大瀬良と共に先発ローテで活躍〉九里亜蓮 2013年
<同年ドラフト/1位・大瀬良大地、3位・田中広輔、4位・西原圭大、5位・中村祐太>

 亜細亜大では4年時に主力投手としてチームを33年振りの優勝に導く活躍を見せ、大瀬良大地と並ぶ即戦力右腕として入団を果たした。1年目の開幕先発ローテーションの一角を任され、2014年の新人投手の中でもっとも早く勝利投手の称号を手に入れた。2017年には自身が目標とする二桁勝利まであと一歩の9勝をマーク。先発、中継ぎ問わずに結果を残し連覇に大きく貢献した。2018年9月28日のヤクルト戦(マツダスタジアム)では8回無失点の好投を見せ、27年ぶりの地元優勝を大きく引き寄せた。
 今季も先発ローテーション入りを果たし、8月10日には7回無失点の好投で2勝目をマーク。同期の大瀬良と共に、巻き返しを図るチームの中心人物として期待がかかる。

◆〈2017年に先発の柱として大ブレイク〉薮田和樹 2014年
<同年ドラフト/1位・野間峻祥、3位・塹江敦哉、4位・藤井晧哉、5位・桑原樹、6位・飯田哲矢、7位・多田大輔、育成1位・松浦耕大、育成2位・木村聡司>

 九里亜蓮の一学年下の投手として、岡山理大付高でプレーしその後亜細亜大に進学したが、故障の影響で大学4年間でわずか公式戦3試合の登板に終わっている。それでも同大出身の松本有史スカウトが潜在能力の高さに惚れ込み、2014年のドラフトで単独指名。無名選手の上位指名を訝しがる声もあったが、1年目にプロ初勝利、そして2017年にはシーズン途中から先発に回り、15勝3敗で自身初のタイトル(最高勝率)を獲得するなど、カープスカウトの眼力の高さを証明する結果を残した。その後は制球力が安定せず試練の時を過ごしているが、今季は捲土重来を期して中継ぎでの登板を続けている。