カープ球団を支える人たちは、どんな仕事をしているのか?本連載は、さまざまな立場・場所からチームを支える人たちにスポットライトを当て、裏側のお仕事について探っていく。

 今回は、今年デビュー30周年を迎えるカープの人気マスコット・スラィリーを支える、試合運営部の仮屋尊春(かりや・たかはる)さんが登場。趣味は『いたずら』というスラィリーをそばで支える仮屋さんが語る、仕事のやりがいとは。(全2回/第1回)

7月29日で、デビュー30周年を迎えるスラィリー

◆「ファンとチームの架け橋」を支える存在に

 この仕事のやりがいは、喜んでくださっているファンのみなさんの表情を間近で見れることです。スラィリーの行動で笑ったり、スラィリーと会えてうれしかったと言ってくれるファンのみなさまの反応は、私が1番近くで見ていると思うので、スラィリー担当で良かったなと思う瞬間です。

 私がこの仕事で意識していることは、常にファンのみなさんの立場で物事を考えること、そして私自身もスラィリーと一緒に楽しむことです。スラィリーと一緒にいると毎日いろいろなことが起こるので、忙しいながらも毎日楽しく過ごしています。

 かつてヤクルト・つば九郎さんが「マスコットはファンとチームの架け橋」と言っていたのですが、私にとって、スラィリー担当の仕事は何かと言えば、「ファンのみなさんとチームの架け橋の支柱」かな、と思います。

 いつもスラィリーと一緒に行動をしていると、選手のみなさんが試合中にアップをしている姿などをベンチ裏でよく見かけます。代打や代走に備えて追い込んでいる選手、悔しそうにしている選手、ベンチで試合を見守っている選手やスタッフさんたちの表情なども。カープのマスコットとして、そしてチームの一番のファンでもあるスラィリーと一緒にカープを応援すること、そしてファンのみなさんが盛り上がるようにスラィリーを支えることが私の役割であると思っています。

 そして、県外出身の私が球団を客観的に見ると、まさにカープは広島県の象徴だと感じています。

 広島に初めて来た時、こんなにも街ぐるみで1つのチームを応援しているのはそうないことだと思いました。だからこそ、広島県の象徴的なチームに、関わる仕事をさせていただいている感謝の思いと、それに恥じないように私自身もチーム愛を大事にしていきたいと感じています。

 ファンのみなさんへ伝えたいことは、スラィリーも負けた時はすごく凹んでいますし、勝てばものすごく喜んでいますし、さまざまな表情でファンのみなさんとともにカープを応援しています。

 今年、スラィリーがInstagramのアカウントを開設しました。スラィリーと黒子が撮影している様子を遠くから見守っていますが、今年こそ『ビールかけ』の様子をスラィリーと黒子で発信してほしいと心から思っています。

 優勝、そして日本一のためには、ファンのみなさんの応援が欠かせません! スラィリーも毎日「遮二無二」応援していますので、ファンのみなさんも熱い応援よろしくお願いします! ちなみにスラィリーは何をするのか分かりませんので……見つけたら目を離さないでくださいね。

■仮屋尊春(かりや・たかはる)
埼玉県出身
大学卒業後、広島東洋カープ入社
試合運営部のスラィリー担当3年目。普段はスラィリーの身の回りのお手伝いや、おでかけ準備等をしている。スラィリーの趣味がいたずらなだけに真面目な話をしている時にいたずらをすることもあり、少々手を焼く部分もあるそう(笑)。スラィリー愛が深く、仕事中のバッグに「わらわらスラィリー」人形を装着している。