ペナントレースも佳境を迎え、連日、熱い戦いが続くカープ。昨シーズン最終戦で一軍デビューを果たした内田湘大も、終盤戦の昇格に向けて日々汗を流している。「すべてが足りていない」と自身に厳しい評価を見せていた内田が、今季、つかんだ兆しとは。
◆「もっと良くなる」。兆しをつかんだ期待の若鯉
8月末まで、一軍での出場はなかった。9月2日に一軍登録されると、同日のDeNA戦でさっそく打席が回ってくる。代打で出場し、結果は三振。翌日には出場登録を抹消された。
自ら 「シーズン前半は全然良くなかった」と口にする通り、二軍では73試合に出場したものの、223打数45安打、2本塁打、打率.202と苦しんできた。夏前に収録したインタビューでは、「特に打撃の面で、タイミングの取り方、フォーム、すべてが足りていない」と自身に厳しい評価を下していたが、苦しんだなかにも、確かにつかんだものはあった。
「いろいろな課題もより明確になりました。いまは、そこにしっかり取り組めています」と、ペナントレース終盤戦、そしてCSに向けて一軍昇格を見据えている。
具体的には、打席以前の 『準備』に力を入れているという。
「もちろん技術も大切です。ただ、いまの自分は準備や予測といった部分にもっと力を入れたいです。そうすれば、もっと良くなるんじゃないかという手応えがあります」
昨シーズン最終戦では、7番・サードでプロ初スタメンを果たし、プロ初打席・初安打と、大器の片鱗を見せつけた。甲子園出場経験はないながらも、ドラフト2位指名は期待の現れに他ならない。
シーズンも残り僅かとなった。最終盤に向け、若武者の猛アピールに期待したい。
■内田湘大(うちだ・しょうだい)
2004年9月22日生、長野県出身
183cm 97kg/右投右打/内野手/プロ3年目・21歳
利根商−広島(2022年ドラフト2位)