思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、新たなカープの魅力を切り取る。

 今回は、2026年シーズンの開幕投手を務めた左腕・床田寛樹から、“カープの左腕開幕投手”についてを、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。

カープ歴代左腕開幕投手の顔ぶれ(イラスト・オギリマサホ)

◆左腕が先発した、開幕試合の結果と関連性はいかに

 昔からなぜか、「苦労した左腕投手が復活して勝利」というシチュエーションに弱い。私がカープファンになって最初に好きになった左腕・高木宣宏が、度重なる故障を乗り越えて復活したことも影響しているかもしれない。

 2026年、カープの開幕投手が床田寛樹に決定したと聞いた時、ぜひとも頑張ってほしいと思ったのは、上記のような事情があるからだ。2017年、プロ1年目から開幕ローテーション入りを果たしながら、左肘のトミー・ジョン手術で離脱、長いリハビリを経て2019年に復活を遂げた床田。私はこの時に床田ユニを買い、事あるごとに応援を続けてきた。その床田が開幕投手の座を勝ち取ったというのは、なんとも喜ばしい話題である。

 この開幕投手決定のニュースで、「カープでは28年ぶりに日本人左腕が開幕投手を務める」と報じられていた。私は少し意外に思った。そんなに長い間左腕は開幕投手を務めていなかったのか。左腕が開幕投手を務めるのは珍しいことなのだろうか、と。 

 28年前の1998年、開幕投手を務めたのは大野豊であった(この時点で42歳7カ月だった大野は、同時に『NPB史上最年長の開幕投手』という記録も残している)。その後、左腕のクリス・ジョンソンが2回の開幕投手を務めており(2016・2017年)、全選手で考えるならば9年ぶりとなる。それでも十分珍しいと言えるかもしれない。

 カープの過去の開幕試合を振り返ってみると、2026年までの77回の開幕試合のうち、10回が左腕の先発であった。割合にすると約13%である。そもそも1950年、球団創設最初の試合に先発したのが、左腕の内藤幸三だ。

 以前当コラムでも触れたが、開幕先発投手はそのチームのエース格が務めることが多いため、北別府学のように複数年にわたって開幕投手となる選手も多い。カープでは77回の開幕試合のうち、先発投手を務めたのは34人、そのうち左腕は上記の内藤と、白石静生、大野(4回)、川口和久、ジョンソン(2回)、そして今回の床田で6人となり、全体に占める割合にすると約18%となる。一般的に左利きの人の割合は約10%とも聞くので、そこから考えれば、少し左腕率は高いのかもしれない(利き手が左にもかかわらず右投げになった野村祐輔・現二軍投手コーチのような例もあるので、一概に比較することはできないが)。

 では、左腕が先発した開幕試合の結果はどうだったのか。カープの77回の開幕試合の勝敗は40勝34敗3分・勝率0.541である一方、左腕開幕投手10試合の勝率は5勝5敗・勝率0.500と少し下がってしまう。

 とは言え、ジョンソンが開幕投手を務めた2016年・2017年はともに黒星スタートではあったが、結果的にリーグ優勝したわけで、では左腕開幕投手とシーズン順位には関連性があるのかと見ると、1位2回、2位2回、3位・4位・5位・6位・8位(1950年)がそれぞれ1回ずつと、あまり関連があるようにも見えない。

 ここから考えるに、特に左腕が開幕投手を務めたから何かがあるというわけでもないようだが、やはり開幕試合に勝つのはうれしい。2026年3月27日、対中日との開幕試合では、床田は序盤に打たれながらも5回を2失点にまとめた。チームはその後、9回裏に4点差を追い上げて同点にした後、延長10回裏にルーキー・勝田成のサヨナラヒットで勝利をおさめた。ここから「左腕開幕投手は縁起が良い」という新たなカープの歴史をつくっていけるのか、今シーズンの戦いを見守っていきたいと思う。

   

 

カープをより深く、より熱く。日本唯一の広島東洋カープ専門誌!
「カープマガジン」2026年3月25日、創刊!