設立10周年を迎えるBCリーグの野球チーム『栃木ゴールデンブレーブス』。球団立ち上げから運営に携わってきた江部代表取締役社長に、10年間の球団の歩みを聞いた。

栃木ゴールデンブレーブス・江部代表取締役社長

◆個性的なレジェンド選手たちを獲得

 我々の選手採用戦略は、まず地域性として栃木県出身の選手を優先させることです。それから野球界のレジェンドと言われるメンバー。さらに少しエンタメ的な面で、(お笑いコンビ・ティモンディ)高岸宏行選手のようなタレント性のある選手の獲得。この3つの方針を中心に進めてきました。

 なかでも、2018年の村田修一選手(元・巨人など)の獲得が契機となります。2019年には西岡剛選手(元・阪神など)が、2020年には川﨑宗則選手(元ソフトバンク)を獲得しました。元球児でタレントの高岸選手は2022年でした。スポーツマネジメントに携わる、親会社のエイジェックによる人脈の中で採用してきたのが実態です。ここ数年は採用がありませんが、戦略としては継続していますね。

◆独立リーグで最も観客動員が多いチームに

 2017年から9年間、来場者数の累積は30万人を超えました。スポンサーの冠マッチや、県内外のプロスポーツとの連携など、イベント性を持たせた興行を基本に、毎試合進めてきたことによる成果だと感じています。地域や地元との連携では、自治体ごとに開催する「市民デー」や、球場外で開催する物産展、さらに子どもたち向けに野球教室を開催したり、ボールボーイを担当してもらうなど、地域貢献の活動も含めた来場戦略を進めています。

◆立ち上げから3年は厳しい経営に

 栃木県を代表する独立リーグのチームとしてスタートしましたが、当初のスポンサー数は約70社、ファンクラブ会員は300名ほどでした。そこから応援してくださる方が年々増え、全国にある独立リーグの中でも、興行規模や来場者数、スポンサー数などで力を付け、『オール栃木』と呼べる球団の価値がこの9年間で上がってきたと実感しています。経営的な立場を振り返ると、立ち上げからの3年はものすごく厳しく、非常に苦労しました。それがスポンサーの皆様、自治体、ファンクラブの方など、様々な方の支えがあり、現在では経営面で自立できる球団になってきました。

◆節目の年、さらなる飛躍を

 球団は今年で10周年を迎え、BCリーグも20周年という節目の年となります。熱中症対策で6月以降の試合をナイターにしたり、ピッチクロックの導入、リプレイ検証など、BCリーグもNPBに合わせて改革をしています。さらにオールスター戦やNPB球団との選抜試合を行うなど、リーグとしての成長戦略にも取り組んでいます。お互い節目の年、今後は栃木県代表として、独立リーグにおける我々の価値をさらに上げていきたいと考えています。

●江部 達也(えべ たつや)
1968年生/栃木県出身。自身も元高校球児で、法政大でもプレーをした。球団創設時から球団社長に任命され、10年間チームを見守り続けている。