日米通算150勝をかけて、9月17日(日本時間18日)のホワイトソックス戦に登板した前田健太。安定感ある投球で5回2失点の好投を見せたが、後続が打たれ節目の勝利はお預けとなった。

2010年5月15日の日本ハム戦。前田健太投手は赤松真人選手のサヨナラ打で完封勝利を飾った。

 今季から心機一転、ドジャースからツインズにトレード移籍した前田は、先発ローテーションの一角として他を圧倒する投球内容を披露。チームトップの勝ち星、投球回数をマークしている背番号18の投球は、まさに“エース”と呼ぶにふさわしい。

 前田健太は海を渡る前、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせたカープでも、“エースナンバー”背番号18を背負っていた。数々の名投手が背負ってきた歴史あるその番号を前田健太が任されたのは、高卒2年目のシーズン、2008年のことだった。

 「『エグい!』と思いました(苦笑)。背番号が変わるということも1ミリも考えていなくて。しかも18番。でも光栄ですね。僕もその意味はわかっていますし、来年こそやってやる、という気持ちが強まりました。自覚を持ってやらないとダメだと思うし、この番号をもらったことが良い方向に行くと思います」(広島アスリートマガジン2008年1月号)

 前年限りで背番号18を背負っていた佐々岡真司(現一軍監督)が現役を引退し、主力投手育成を急務としていたチームは、その後継者として前田健太を指名した。一軍未経験の高卒2年目投手への継承は、本人はもとより世間からも驚きをもって受け止められた。

 高卒2年目の前田にエースナンバーを託した球団の見立ては当たっていた。2年目シーズンから先発ローテーションに食い込むと、19試合の登板で9勝をマーク。プロ初本塁打を放ち旧広島市民球場の最後の勝利投手となるなど、“持っている”活躍で一気にスター選手への道を歩み始めた。

 2009年は開場2試合目のマツダスタジアム で、無四球完封勝利を収めチームを新球場初勝利に導くと、数字的には8勝14敗と大きく負け越したが、年間通してのローテーション入りを果たし、リーグ3位の193投球回という成績を残した。