かつてカープは『常勝・赤ヘル軍団』と呼ばれ、リーグ優勝、そして日本一を達成するなど多くのプロ野球ファンにその強さを知られてきた。ここでは、当時のカープを知るレジェンドOBの“提言”を、再編集してお届けする。
カープ時代はその俊足で三度の盗塁王に輝き、ベストナインを5回受賞するなど野手陣の中心として活躍した高橋慶彦氏。現役引退後はホークス、ロッテ、オリックスでコーチを務めた高橋氏が、対戦相手として見たカープの印象とは。(第2回/全4回)
(『広島アスリートマガジン』2012年12月号掲載記事を再編集)
◆『7番アイアン』だけで戦っていた印象
私はかつて、他球団のコーチとしてカープとも対戦しました。
ロッテのコーチ時代に感じたことは、当時のカープはケガ人も多く「ちゃんとしたゴルフクラブのセットになっていなかった」という印象です。栗原(健太)がリタイアしたことで、四番を中心に前後を固めるという打線ができなかったのでしょう。ゴルフで例えるならば、『同じ7番アイアンばかり使って戦っている』ような感じがしましたね。
四番がいないのは、ドライバーの代わりに7番アイアンでショットを打つようなものです。
打線に軸がいないと、全部が全部がんばろうとする気持ちが強くなってしまう。「四番まで回そう」という気持ちが持てない訳ですよ。気持ちに余裕がなくなり、全員が責任を感じてしまう。それが悪循環となり、点が取れないと投手に責任が伸し掛かってきます。
例えば無死三塁、1死三塁だと本当は1点を覚悟しなきゃいけないけど、「1点もやりたくない」という気持ちになれば、逆に傷口が広がってしまう状況も出てきてしまいますから。
打線は『木』と同じです。
大幹があるから枝葉がつきますし、幹が細いと折れてしまいますよね。同様に、野手のケガ人が多くなったりすると、攻撃のパターンも薄くなってしまうものなのです。
(第3回へ続く)
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