10月14日、サンフレッチェがホームで首位を独走する川崎フロンターレを迎え撃った。結果だけを見れば0対2の完敗。「勝ち点3でしか、あのとき味わった屈辱は返せないと思っていた」と、城福浩監督も並々ならぬ覚悟を持ってこの一戦に臨んでいた。

青山敏弘選手が後ろに落ちることで、前線にスムーズにボールが供給されていた。

 試合開始直後は、むしろサンフレッチェペースだっただけに、悔しさだけが募る一戦となった。もちろん前回9月の一戦(●1対5)と比べれば、雲泥の差ともいえる試合展開だった。城福監督が目指す後方からのビルドアップ、前線からの積極的な守備。そして、そこでボールを奪ってのショートカウンター。目指すサッカーはピッチ上で体現されていた。勝ち点を感じさせる内容だっただけに、試合後に城福監督が悔しさを露わにしたのも無理はない。

「0-2で終わる試合ではなかったと思うし、選手の頑張りを結果につなげてあげられなかった悔しさがあります。ケガ人がいる中で今やれる選手が持てる力を出してくれたと思いますし、だからこそ最低限、勝ち点を取りたかったです」

 決定機もあっただけに、なおさら勝ち点が取れなかったのは痛かった。とはいえ終盤には前線の数を増やすためにシステムを『4-4-2』に変更。リスクを背負うことでロスタイムに2点目を献上する形にはなったが、最後まで積極的な攻めの姿勢は貫いた。

「選手層を含めたチーム力が今は問われていると思います。やはり後から入った選手がいかにエネルギーを出せるかという部分は、もっと成長していかないといけないところ。逆に言えば、そこが伸びしろになっていくと思います」

 約1カ月という短いスパンながら、選手たちは監督の言う『伸びしろ』を見せ、成長した姿をピッチ上で体現した。勝利を奪うことはできなかったものの、前回の大敗と今回の敗戦では“勝ち点0”が持つ意味は大きく違う。